研究課題/領域番号 |
14330032
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
経営学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
新宅 純二郎 東京大学, 大学院・経済学研究科, 助教授 (00216219)
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研究分担者 |
高橋 伸夫 東京大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (30171507)
桑嶋 健一 筑波大学, 大学院・ビジネス科学研究科, 助教授 (50313086)
清水 剛 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (00334300)
善本 哲夫 同志社大学, 商学部, 講師 (40396825)
立本 博文 東京大学, 大学院・経済学研究科, 特任助手 (80361674)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2005
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キーワード | 技術移転 / 特許 / リソースベース / 光ディスク / モジュール / ライセンス / 青色LED / アーキテクチャ |
研究概要 |
本研究の前半では、まず特許等の知的財産権を中心にして、技術移転プロセスに関する制度や実態の調査を行った。技術移転にはライセンシングに限らず様々なパターンがあるが、大学を中心とした技術移転、特に大学発ベンチャーには発明をビジネスとして扱う発想が乏しいことが明らかになった。今ある技術シーズよりも、広い意味での技術力やビジネス面での経営者の力量が、技術移転の成功にとって大きな鍵であることが分かってきた。 後半期間の研究では、企業内知識移転と企業間知識移転について分担して研究を進めた。企業内知識移転に関わる研究としては、職務発明に対する相当の対価について、「青色LED訴訟」を例として取り上げ、実際の企業行動と市場取引に関する四つの経営学的視点から検討を加えた。(1)ライセンス・ビジネスの実態を踏まえた特許権の金銭的価値、(2)発明者である研究者・技術者自らがリスクを負担して起業した場合の創業者利益、(3)経営戦略論のリソース・ベース理論に代表される視点、(4)モチベーション理論から見た金銭的報酬の効果。以上の経営学的視点から考察すると、地裁判決と比して、高裁の和解額の方がはるかに妥当であるとの結論にいたった。 また、企業間知識移転としては、日本企業が技術開発で先行した光ディスク産業のケースを取り上げた。韓国、台湾、中国などの企業に日本の技術が伝播する場合、製品アーキテクチャがモジュール型になると、その伝播のスピードが速くなる。ただしその場合でも、日本企業の擦り合わせ型のノウハウが、部品や材料、製造設備にカプセル化されて輸出されており、新興国企業はそれを利用して成立しているケースが多いということが分かった。つまり、製品アーキテクチャが企業間技術移転のスピードに強い影響を与えていることが分かった。
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