研究課題
「事業報告モデルの多角的研究」の研究初年度にあたる平成14年度には事業報告モデルの本格的な研究を進めるための基礎固めとして、大きく以下の3つの活動を行った。第一にあげられるのが、各国における事業報告モデルと海外・日本の情報開示の新潮流の諸検討である。アメリカ、欧州などでは事業報告モデルないしはその中で特に注目を集めている無形資産についての研究報告書が相次ぎ公表されている。また情報開示の新たな方向として債券投資家を対象とした「デットIR」についての意義も認識されつつある。研究代表者である伊藤がそれに関連したコンファレンスにパネラーとして参加した。その他、上記の事業報告モデルについての研究報告を研究分担者である加賀谷がIR学会にて部会報告を行った。第二にあげられるのが、データベースの構築である。特に事業報告モデルを考える上で重要となるのが、投資家と企業とをつなぐ役割を果たすアナリストの存在である。我々は2002年7〜9月にかけて証券・投信各社にご協力いただき、総勢200名のアナリストにIR活動などについて質問調査を実施し、それをデータベース化した。その他、ディスクロージャーないしは株式に関連するいくつかのデータベース構築を行った。第三にあげられるのが、他組織との連携・交流による研究の発展である。日本企業のIR活動の発展に寄与してきたIR協議会と2002年夏より連携・交流を続けており、2002年3月より、本基盤研究の伊藤が委員長をつとめる「21世紀のIR研究会」を開始した。本基盤研究のメンバーの大多数が当該研究会に参加し、研究成果の報告、企業実務と学会間の討論、日本企業の情報開示・IR活動への取り組みの実態調査準備を進めてきた。
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