研究課題/領域番号 |
14330042
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研究機関 | 武蔵大学 |
研究代表者 |
前田 貞芳 武蔵大学, 経済学部, 教授 (80061414)
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研究分担者 |
辻山 栄子 早稲田大学, 商学部, 教授 (50114020)
横田 絵里 武蔵大学, 経済学部, 教授 (20277700)
久保田 敬一 武蔵大学, 経済学部, 教授 (00120858)
須田 一幸 神戸大学, 経済経営研究所, 教授 (00171273)
竹原 均 筑波大学, 社会工学系, 助教授 (70261782)
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キーワード | 包括利益 / accounting accruals / 確定決算主義 / シグナル均衡 / 企業資本コスト / 私的情報 / 経営者の意識調査 / 国際会計基準 |
研究概要 |
理論研究においては、辻山が中心に、国際会計基準における包括利益概念の問題点、すなわち企業のオペレーティング・パフォーマンスをこの方法によっては解明できないことを明らかにした。久保田は、同様の考え方を持つカーネーギーメロン大学井尻教授とコロンビア大学ペンマン教授ともこの点の討論を行った。理論研究の成果は、京都会計学研究会で辻山が発表した。 ペンマン教授の分析方法は、営業利益と金融利益の予想を分解して始めて良い利益予想が出来るという。それに関連した利益情報についての実証を、久保田=須田=竹原が価値関連性研究として行ってきた。ここではaccounting accrualsが、確定決算主義から生じる追加税金というシグナル費用を発生させるという位置付けの下、シグナル効果と株価の反応が分析された。須田、久保田、竹原はそれぞれ、この成果を国際学会で公表した。 また、税率を含めた利益流列の現在価値を株価と比較するため、久保田=竹原は株式投資収益率をROEの替わりに用いた企業資本コストの測定研究を始めた。これを利益税制の観点から、久保田は、国際学会および日本経営財務研究学会において発表した。 さらに、企業についての利益予測などの私的情報が決算公表など公的情報との関連でいかに株価に反映されて行くかについて、久保田=竹原は、ファイナンス理論マイクロストラクチャー研究の方法を用い、基礎研究を始めた。この知見は、久保田=竹原が米国大学セミナーにおいて発表した。 一方、前田を中心に、前田=横田は、包括利益の意味とその有用性についての上場企業を対象にした大規模なアンケート調査を行った。回答数は約330社(13.2%)に昇り、現在その集計作業が終わり、分析中である。その成果は、日本会計研究学会第63回大会において前田が公表する。
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