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2002 年度 実績報告書

高次元代数多様体の標準因子の研究

研究課題

研究課題/領域番号 14340003
研究機関東京大学

研究代表者

川又 雄二郎  東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (90126037)

研究分担者 織田 孝幸  東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (10109415)
宮岡 洋一  東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (50101077)
桂 利行  東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (40108444)
小木曽 啓示  東京大学, 大学院・数理科学研究科, 助教授 (40224133)
斎藤 毅  東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (70201506)
キーワード極小モデル / 導来圏 / 代数多様体 / 連接層 / 標準因子 / 双有理同値 / K同値 / D同値
研究概要

私は高次元代数多様体の極小モデル理論をずっと研究してきたが,今年度は極小モデルと導来圏の関係について研究した.論文「D-equivalence and K-equivalence」では以下のような結果を得た.二つの代数多様体は,同値な導来圏(正確には連接層の有界導来圏)を持つときにD同値であるという.また,これらの多様体が双有理同値の場合には,それらの標準因子(Kであらわす)の共通特異点解消への引き戻しが一致するときK同値であるという.K同値という概念は極小モデル理論では自然に導かれる定義であるが,これとD同値とは本来何の関係もないものである.この論文ではこれらの同値関係は実は一致するのではないかと予想した.そしていくつかの場合にこの予想が正しいことを証明した.まず,DからKを導く方向では,代数多様体Xが一般型の代数多様体であると仮定すると,Xがもうひとつの代数多様体YとD同値ならば,これらは必然的に双有理同値になり,しかもK同値になることを証明した.逆に,KからDを導く方向では,K同値な代数多様体はフロップと呼ばれる双有理変換の列で結ばれることが極小モデル理論から予想されることを考えに入れて,XとYがフロップで結ばれる場合にこれらがD同値になるかという問題を考えた.そしてこれらが標準的なフロップや向井のフロップで結ばれるような場合にはD同値にもなることを証明した.さらに,3次元の場合には,任意のK同値な代数多様体はD同値になることを証明した.ここで,極小モデル理論においては特異点を持つような多様体が必然的に現れてくるのであるが,3次元の場合には,このような特異点を持った多様体に対してもその導来圏をうまく定義することができて,このようにして拡張されたD同値の概念に対しても,K同値からD同値が導かれることが証明できた.

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 川又雄二郎: "D-equivalence and K-equivalence"Journal of Differential Geometry. (in press). (2003)

  • [文献書誌] 川又雄二郎: "Francia's flip and derived categories"Algebraic Geometry (a volume in Memory of Paolo Francia). 197-215 (2002)

  • [文献書誌] 川又雄二郎: "On algebraic fiber spaces"Contemporary Trends in Algebraic Geometry and Algebraic Topology. 135-154 (2002)

  • [文献書誌] 川又雄二郎: "On a Relative Version of Fujita's Freeness Conjecture"Complex Geometry (collection of papers dedicated to Hans Grauert). 135-146 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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