研究分担者 |
池田 保 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20211716)
松木 敏彦 京都大学, 総合人間学部, 教授 (20157283)
西山 享 京都大学, 総合人間学部, 助教授 (70183085)
加藤 信一 京都大学, 総合人間学部, 教授 (90114438)
今野 拓也 九州大学, 大学院・理数学研究科, 助教授 (00274431)
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研究概要 |
今年度は,平成14年11月にHenry Kim氏,平成15年1月にBao-Chau Ngo氏を招待し,研究分担者とともに情報交換共同研究を行った.converse theorem, Shtukaについて新しい知見が得られ有意義であった. 今年度は,主として一般線形群およびそのinner formの許容表現の,特殊線形群およびそのinner formへの制限則について齋藤が平賀郁氏と共同で研究した.その結果として,特殊線形群のinner formの許容表現のLanglands packetの内部が,Langlands parameterから従来定義されていたS群の代わりに,その単連結群での逆像をとり,その連結成分の既約表現をとることにより明解に記述されることが分った.これは,一般線形群のinner formに関するautomorphic inductionを考察し,そのtransfer factorを精密に計算することにより得られる.この結果は,現在はdiscrete seriesの表現に限られているが,より一般の跡公式を考察することにより,Arthur packetの記述,代数体上の保型表現の重複度公式も得られると期待される.またこのpacketの内部の記述は,他のreductive groupのときにも適用されると予想される.今迄あまり解明されていなかった,quasi-splitでない群の表現に関して明解な方向を与えると期待される. この他の結果としては,今野拓也がU(2,2)の場合にそのunipotent表現のpacketを記述し,代数体上の保型表現に関して,その重複度公式を得た.pcaketの構成は,テータ対応とJacquet-langlands対応を用いて構成される.池田保は,グロスープラサド予想のO(6)の特別な場合を精密な形で証明した.この場合が取り扱われた最初の例である.西山享は,Stable rangeの重要な場合に,テータ対応におけるassociated cycleの対応を決めた.
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