研究課題/領域番号 |
14340016
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
栗原 将人 東京都立大学, 理学研究科, 助教授 (40211221)
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研究分担者 |
蔵野 和彦 東京都立大学, 理学研究科, 助教授 (90205188)
中村 憲 東京都立大学, 理学研究科, 教授 (80110849)
三宅 克哉 東京都立大学, 理学研究科, 教授 (20023632)
松野 一夫 東京都立大学, 理学研究科, 助手 (40332936)
川崎 健 東京都立大学, 理学研究科, 助手 (40301410)
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キーワード | 岩澤理論 / 岩澤主予想 / Fittingイデアル / Stickelbergerイデアル |
研究概要 |
岩澤主予想の普通の定式化より詳しい次のような予想をたてかなりの場合にそれを証明した。K/Φを有限次アーベル拡大とする。Kのイデアル類群CL_KのZ[Gal(KlΦ)]加群としてのFittingイデアルをF(Cl_K)と書く。このとき、我々はF(Cl_K)^-がStickelbergerイデアル【○!N】^-_Kに2べきのずれを除いて等しい、という定式化の予想を構成した。ここに我々のStickelbergerイデアル【○!N】_Kはさまざまなアーベル体のStickelberger元を用いて定義されるイデアルで、K=Φ(μ_N)(円分体)のときは岩澤健吉によって構成されたStickelbergerイデアルと(2べきのずれを除いて)一致する。しかし一般のアーベル体に対しては我々の定義による【○!N】_Kは岩澤-Sinnotlの定義したSticlelberger idealとは一致しない。このようにStickelbergerイデアルの新しい定義を与えたことが、我々の仕事の一つのポイントである。我々の予想は有限次アーベル体のイデアル類群のマイナス部分Cl^-_KをZ[Gal(K/Φ)]-加群として扱っている点で円分Z_p-拡大上の岩澤加群を有限のずれを除き円分Z_1-拡大のGalois群の加群として扱う通常の岩澤主予想よりずっと詳しい情報を与える。ここで、Cl^-_Kはprojective次元が1以下ではないから単項イデアルではなく、また【○!N】_Kもざまざまなアーベル体のStickelberger元から作られるため単項ではないことに注意しておく。このような単項でないイデアルを扱うところに今までの岩澤理論の一般化、精密化に対するKato, Burns, Flach, Greither等の仕事と我々の仕事との大きな違いがある。我々の予想は(代数的P進L関数)=(解析的P進L関数)という岩澤理論の基本的考え方が、今までに考えられていたようなホモロジー代数を使って得られる人工的加群よりずっと自然なところで強く存在していることを示している。この予想のP部分はPがKでtameに分解すれば正しい。またPt[K:Φ]、K=K(μ_pn)でも正しいことが証明できる。
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