研究分担者 |
梅原 雅顕 広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90193945)
宮岡 礼子 上智大学, 理工学部, 教授 (70108182)
長友 康行 九州大学, 大学院・数理学研究院, 助教授 (10266075)
高橋 正郎 久留米工業高等専門学校, 講師 (70311107)
黒瀬 俊 福岡大学, 理学部, 助教授 (30215107)
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研究概要 |
・完備で,小さい絶対全曲率,双対絶対全曲率をもつ,3次元双曲型空間の定平均曲率1の曲面を,ワイエルストラス型表現公式とその周期計算の技術を用いて分類した。この種の曲面は,ユークリッド空間の極小曲面と局所的には対応づけられるが,分類の過程で大域的には対応づけられない例を見い出すことができた. ・高次元のユークリッド空間の極小曲面については,古典的な,3次元ユークリッド空間の極小曲面に対するワイエルストラス表現公式の類似が良く知られている.さらに全曲率に対するチローン・オサーマン不等式が既知であるが,その等号条件を記述した.また,この類似に倣って高次元のある種の対称空間(SL(n, C)SU(n)を含むクラス)の曲面に対して「正則右ガウス写像をもつ」もののワイエルストラス型表現公式を見い出し,オサーマン型不等式を証明した. ・3次元双曲型空間の定平均曲率1をもち,完備・有限全曲率で端がすべて非正則かつ既約であるものの例を見い出した.この場合,周期問題が,不確定特異点をもつ微分方式の周期の計算に帰着されるので具体的な計算ができない.そこで,対称性が高い場合に周期を計算する技術を見い出した. ・3次元双曲型空間の平坦は曲面に対してもワイエルストラス型表現公式が知られている。完備な平坦曲面は自明なものしかないが,比較的性質の良い特異点の存在を許すと,ユークリッド空間の極小曲面論,双曲型空間の定平均曲率1の曲面と同様な豊かな対象となりうることを示し,理論の枠組を提唱した。
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