研究分担者 |
井上 昭彦 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (50168431)
室田 一雄 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 教授 (50134466)
柳川 堯 九州大学, 大学院・数理学研究科, 教授 (80029488)
松浦 真也 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 助手 (70334258)
堀田 武彦 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 助教授 (90222281)
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研究概要 |
離散時間の確率過程に対するKM_2O-ランジュヴァン方程式論と非線形情報空間に付随する任意の生成系を用いて,二つの離散時間の確率過程に対する非線形推定を求める公式を求めた.それを具体的な信号過程と観測過程からなる非線形なシステムに応用して,Kalman-Bucyの研究以後未解決であった非線形推定問題を非線形推定子を求めるアルゴリズムを求める形で解決した. 時系列データの異常性を定常性の破れと定義し,KM_2O-ランジュヴァン方程式論に基づく時系列データの定常性の検証Test(S)と離散時間の確率過程の非線形情報空間に付随する多項式型の生成系を用いて,時系列データの異常性の兆候を検出する異常性の検出Test(ABN)を提唱した.特に,株価の異常性を示す恐慌(ブラックマンディ・アジア危機・ITバブル)に適用し,Test(ABN)が有効であることを実証した論文を発表した.さらに,Test(ABN)を地震波の時系列データに対して適用し,P波とS波が到達する前兆を検出できる論文を投稿中である. 最近話題となっている深部低周波地震のS波がきてからの定常域の構造が通常の地震とは異なる「分離性」という性質を発見した.この性質はオーロラ,磁気嵐,サブストームが発生した直後にも見られることがわかった.さらに,EEG, MEGで測定される脳波の時系列にはこの性質は見られないが,ECoGという皮質脳波の時系列には現れることが発見された.この「分離性」を電磁気学的観点より調べるとともに,「分離性」の数学的特徴づけを行うことが今後の課題である.
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