研究課題/領域番号 |
14340035
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
西田 孝明 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70026110)
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研究分担者 |
川中子 正 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (20214661)
小薗 英雄 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00195728)
岡本 久 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (40143359)
中尾 充宏 九州大学, 大学院・数理学研究院, 教授 (10136418)
松村 昭孝 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60115938)
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キーワード | 非線形偏微分方程式 / 解空間の大域的構造 / 熱対流問題 / Navier-Stokes方程式 / 外部問題 / 計算機援用証明法 / 粘性衝撃波 / 分岐問題 |
研究概要 |
(1)熱対流問題:水平に置かれた流体が、下から一様に熱せられる時の、運動の研究であり、Boussinesq方程式を用いた近似により一次分岐現象として、roll状の解、長方形あるいは六角形のcell状の解が現われる。 下からの温度が更に高められた時の、それらの解の安定性の変化を調べ、二次分岐等を含んだ分岐曲線の大域的な挙動を計算機援用解析している。Boussinesq近似が成り立たない一般の熱対流問題の分岐現象の研究も始めた。 (2)Navier-Stokes方程式:解の数学的な構造について研究し、力学系の問題として、パラメーターの変化に応じた菱形流の大域的な分岐現象を数値的に解明し、Reynolds数を大きくした極限で内部遷移層が現れる事を見出した。 その3次元外部問題である、物体の周りの流体運動を研究し、全空間での解の最良の減衰評価と比較し、外部問題の解の減衰指数と物体に働く力に関して精密な関係を見出した。 (3)非線形波動:非線形波動方程式における大域的な分岐現象である、複数個の安定な定常解、周期解や周期の異なる安定な周期解を解明するには、計算機援用解析が必須であり、その理論的枠組みを定式化した。殊に解の精度保証を解析的に行う場合、方程式の線形化微分作用素の逆のnorm評価が最も重要になる。この線形作用素に対し、概対角作用素列が、構成できてノルム収束による近似ができるための有用な十分条件が得られた。 (4)一次元衝撃波:圧縮性粘性流体の等エントロピーモデルに対する半空間上でのInflow problemに関連し、漸近挙動が境界層解と粘性衝撃波との重ね合わせの場合の考察を行った。また、境界の上で相転移などの反応がある場合に対応する自由境界値問題についても、進行波の存在と漸近安定性を示すことに成功した。 さらに、現在これらの結果を3×3のシステムへ拡張することを試みている。
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