研究概要 |
研究課題である‘大域的複素解析-L^2正則関数を中心に'に沿って、5月にOberwolfach数学研究所にて、京大数理研紀要に掲載予定の論文‘On a curvature condition that implies a cohomology injectivity theorems of Kollar-Skoda type'について研究発表を行ない、その後関連する問題をWuppertal大学でKlas Diederich,神本丈らと研究、その成果を論文‘On the displacement rigidity of certain Levi-flats'にまとめた(K.Diederichと共著)。神本とはBergman核の境界挙動について、領域の境界の幾何との関係を研究しており、その結果の一部は論文‘Behavior of the Bergman kernel at infinity'(Bo-Yong Chen,神本丈と共著)になった(Math. Zeitschrift 248に発表)。また、M.-C.ShawやY.-T.Siuらと競合しつつ研究してきたLevi平坦超曲面の分類問題に決定的な進展があり、その結果を論文‘On the Levi-flats in complex tori of dimension two'にまとめた。これは京大数理研紀要に掲載予定である。さらに学振の外国人特別研究員として滞在したB.Y.ChenとBergman核について議論を重ねたが、Chen氏はすばらしいアイディアによりつぎつぎとこのテーマに関する決定的な成果を得た。たとえば1.超凸多様体のBergman計量に関する完備性、2.Teichmuller空間上のBergman計量とTeichmuller計量の同値性、3.超凸多様体上のBergman-L^2-コホモロジーの中間次無限性がそうである。
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