研究課題/領域番号 |
14340048
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
神本 丈 九州大学, 大学院・数理学研究院, 助教授 (90301374)
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研究分担者 |
岩崎 克則 九州大学, 大学院・数理学研究院, 教授 (00176538)
風間 英明 九州大学, 大学院・数理学研究院, 教授 (10037252)
佐藤 榮一 九州大学, 大学院・数理学研究院, 教授 (10112278)
高木 俊輔 九州大学, 大学院・数理学研究院, 助手 (40380670)
木村 弘信 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (40161575)
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キーワード | Bergman核 / 特異点論 / Peak関数 / 一般超幾何関数 / 有限型領域 / トーリック多様体 / 漸近展開 / 正則線束 |
研究概要 |
本年度は、平成14年度から引き続き、特異点論の視点から,多変数関数論における重要な問題である,正則関数の境界の挙動を調べた。特に、領域として有限型と呼ばれるものに興味を持ったわけであるが、境界のレビ形式が退化した場合に関して特に集中して研究を行った。解析の際、重要となるのは、ニュートン図形と呼ばれる、ある種の境界のトポロジカルな条件を示す図形であり、トーリック多様体の理論を用いて、計量的に特異点解消を行い、ベルグマン核とセゲー核の特異性を解析している。今年度は、さらに、最近たいへん盛んに研究されている複素幾何的な興味から、ベルグマン核とセゲー核の漸近展開を、研究してみた。チアン-ヤオ-ゼルディッチの展開と呼ばれる漸近展開は、強擬凸領域に対応するものであるが、エルミート計量が退化した場合に関しては、現在までのところ、研究がまったくなされていない。ある種の問題の設定を行った後、さらにいくつかの条件をつけて、新しい漸近展開を計算することに成功した。その展開をみると、常微分方程式論における、確定特異点型をした特異性が現れることがわかるが、どのような理由でこのようなものが現れるのかを、理解しようと努めたが、大きな成功は得られていない。さらに、この展開の係数の計算を試み、幾何学的な意味を考察した。複素幾何的な研究においても、ニュートン図形は、非常に強い道具になっている。
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