研究分担者 |
中井 直正 国立天文台, 宇宙電波天文学系, 教授 (80192665)
兼古 昇 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (50001847)
藤本 正行 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00111708)
亀野 誠二 国立天文台, 宇宙電波天文学系, 助手 (20270449)
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研究概要 |
本研究の目的は,我々の銀河の星形成の概要を明らかにするために,北大11m電波望遠鏡を用いてアンモニアの多輝線を同時に銀河面に渡ってサーベイ観測し、その結果から銀河面の分子ガスの温度密度を明らかにすることである.この観測では従来行われていたCO観測より,密度の高い領域を観測可能なアンモニアの多輝線を同時観測し,それによってより密度の高い領域の温度も観測から決めようとしている. 本年度は、受信システムの開発、観測計画の検討、デジタル分光器および望遠鏡制御のソフト開発を行った。来年度は、受信システムを新しいものに置き換えテスト観測の後,本観測の実行を行う. 1)受信システムの開発 低雑音高感度の受信システムを開発した。現在、組み立てを完了しテストを行っている。また、デジタル分光器はVLBI用に開発されたデータサンプリングボードを利用した、高精度のものを開発した。 2)観測計画の検討 本研究では銀河面のサーベイを計画しているが、これを機械的に行うのではなく、観測実施当初は新しい受信システムの能力を確認する意味でも、分子雲が豊富な領域を優先して観測を行う。そのため、観測候補領域の検討を行い、その結果、オリオン領域がもっとも適切を考え観測計画をたてた。 3)デジタル分光器および望遠鏡制御のソフト開発 デジタル分光器はサンプリングボードからのデータ取得、その後の自己相関処理とFFTを行って分光を行う。これに必要な、プログラムの概要を設計し、また、FFTの高速なライブラリのテストを行った。また、11m電波望遠鏡は、現在、VLBI観測用の制御プログラムであるので、これを単独望遠鏡用の制御プログラムの開発を行った。 4)テスト観測 国内VLBI観測に参加して、測地観測や火星衛星「のぞみ」の高精度位置決めのVLBI観測に参加した。また、単独望遠鏡としてのテスト観測として、HII領域M17の連続波の観測を行ない,連続波の強度マップを作成し、アンテナの感度やビームパターンのチェックを行った。 以上のように、来年度のサーベイ観測の準備を順調に進めた。
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