研究分担者 |
柴崎 清登 国立天文台, 電波天文学研究系, 教授 (90023689)
松崎 恵一 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学情報解析センター, 助手 (20321565)
坂尾 太郎 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学共通基礎研究系, 助教授 (00225781)
増田 智 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助教授 (10262916)
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研究概要 |
本研究は太陽フレアに伴う粒子加速機構を,2002年2月打ち上げの米国のReuven Ramaty High Energy Solar Spectroscopic Imager(RHESSI)衛星によるX線・ガンマ線撮像,我が国の「ようこう」衛星による硬・軟両X線撮像、.野辺山電波ヘリオグラフによるマイクロ波電波撮像を詳細に比較することにより解明することを目的としている。平成15年度には,前年度の到達点(最大エントロピー法(MEM)によるRHESSI画像合成ソフトウェアの作成、「ようこう」フレアレアカタログの出版、等)を踏まえて,(1)太陽フレア自身を用いてRHESSIの画像合成性能を評価するとともに,(2)「ようこう」及び野辺山電波ヘリオグラフによる太陽フレア粒子加速の観測的研究,(3)軟X線フレアループの上空のコロナ中に出現する硬X線源に着目した粒子加速機構・放射機構の理論的研究,を進めた。主要な成果は以下のとおり。 1.RHESSI画像合成性能の評価:RHESSIのモジュレーションパターンは比較的よく較正されており,十分な検出光子数を時間積分で確保することなどに留意することで,一定の画質が保障されうることを明らかにした。 2.太陽フレア時にコロナ中に現れる硬X線放射源が数10km/sの速度で上昇運動することを見出した。この上昇速度はフレアの2次元リコネクションモデルの予測値より小さく,3次元的なモデルの構築が急がれる。 3.このコロナ中の硬X線源の生成機構として,収縮しつつある磁気ループ中でのベータトロン加速による高エネルギー電子の再加速及び捕捉によるという仮説を提唱した。
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