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2003 年度 実績報告書

キセノンを用いた高精度放射線検出器の開発

研究課題

研究課題/領域番号 14340068
研究機関東京大学

研究代表者

森 俊則  東京大学, 素粒子物理国際研究センター, 教授 (90220011)

研究分担者 寺沢 和洋  早稲田大学, 理工学総合研究センター, 講師 (10329138)
キーワード液体キセノン / ガンマ線検出器 / シンチレーション光 / 光電子増倍管 / キセノン純化装置
研究概要

本研究は、数百keVから数十MeVのガンマ線のエネルギー・位置および時間をこれまでにない高い精度で測定できる、新しいタイプの液体キセノン・ガンマ線検出器の開発を集中して行い、素粒子・原子核物理・ガンマ線天文学・医療診断(PET)など様々な分野で汎用的に使える検出器として実用化を目指すものである。今年度は、これまでに開発してきた、マイナス100度の液体キセノン中で安定動作し紫外光(波長170-190nm)に感度のある光電子増倍管、液体キセノン温度で冷却能力の高いパルス管冷凍機、紫外光を吸収する不純物を取り除く循環純化装置などを、試験用検出器によって総合的な性能評価を行った。基本的な性能チェックには、宇宙線と本体内部に設置したアルファ線源を用いた。試験用検出器は、2000時間以上にわたる連続運転の間、循環純化を同時に行いながら極めて安定に動作し、これによって光電子増倍管を始めとする各コンポーネントが十分実用化に耐えることが確かめられた。また、循環純化により、不純物は検出器の性能に影響を及ぼさない程度まで取り除くことができた。性能評価には、電子ビームとレーザー光とのコンプトン散乱で得られる10〜40MeVのガンマ線を用いた。コンプトン散乱ガンマ線のスペクトルはもっとも高いところに鋭いエッジを持ち、これを用いてエネルギー分解能を求めることができる。また、鉛のコリメーターを使ってガンマ線の位置精度を同時に求めた。測定の結果エネルギー分解能としては40MeVのガンマ線に対して約1.8%、位置分解能は光電子増倍管との相対位置によって変るが約2-4mmの値が得られた。ガンマ線の検出効率は50%以上あり、このエネルギー領域のガンマ線測定器としてはこれまでにない高い分解能を達成することができた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] T.Doke, T.Mori, K.Terasawa et al.: "R&D work on a liquid-xenon photon detector for theμ→eγexperiment at PSI"Nuclear Instruments and Methods. A503. 290-294 (2003)

  • [文献書誌] T.Mori, K.Terasawa, et al.(MEG collaboration): "Recent Developments of the MEG Liquid Xenon Photon Detector"Paul Scherrer Institute-Scientific Report 2003. Volume 1(in press). (2004)

  • [文献書誌] S.Mihara, T.Mori, K.Terasawa et al.: "Development of a liquid-xenon photon detector - towards the search for a muon rare decay mode at Paul Scherrer Institute"Cryogenics. (in press). (2004)

  • [文献書誌] F.Nishikido, T.Doke, T.Mori, et al.: "Performance of a Prototype of Liquid Xenon Scintillation Detector System for Positron Emission Tomography"Japanese Journal of Applied Physics. Vol.43,No.2. 779-784 (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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