研究課題
本研究の主目的である、高エネルギー加速器研究機構(KEK)で実施したE373実験の重ストレンジネス核探査のための解析を終了し、候補も含め7例のダブルハイパー核を検出することに成功した。この数は、これまで世界で報告されたものの2倍以上である。また、二対のシングルハイパー核がΞ^-粒子の静止吸収点から放出される事象は、2例の検出であった。先の7例との関係で考えると、NAGARA eventが示す、弱いが引力的だとするΛ-Λ相互作用が裏付けられるものと考えられる。一方、Ξ^-粒子の静止吸収点から放出される粒子の追跡を現在行っているが、荷電粒子が放出後すぐに高速荷電粒子を伴う崩壊を起こしている事象二例を、ごく最近検出した。このうちの一例の解析の結果、ダブルストレンジネス状態が弱崩壊した可能性(ΛΛ⇒Σ^-p)が強く示唆され、これが確定すれば世界で初めての発見となる。Ξ^-粒子の静止吸収事象数を確定することにより、このような弱崩壊の頻度が判明し、Hダイバリオン状態の存否の議論に大きなインパクトを与えることになる。解析速度の向上を目指した開発では、従来の4倍以上の高速化を達成するに至り、本研究の進展に大きな寄与を果たした。
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Proceedings of International Workshop on Strangeness Nuclear Physics (SNP2004): World Scientific (in press)
研究会報告 原子核研究 (in press)
High Energy Physics and Quantum Field Theory. Proc.of the XVII International Workshop. M.V.Lomonosov Moscow State University
ページ: 493-497
Physical Review Letters 93・23
ページ: 232501