研究分担者 |
林 青司 神戸大学, 理学部, 教授 (80201870)
播磨 尚朝 神戸大学, 理学部, 教授 (50211496)
久保木 一浩 神戸大学, 理学部, 助教授 (50231296)
西野 友年 神戸大学, 理学部, 助教授 (00241563)
坂本 眞人 神戸大学, 理学部, 助手 (30183817)
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研究概要 |
2002〜2005年度の4年間にわたって「繰り込み群の多角的応用」の表題の下に研究活動した.おもな研究対象は厳密繰り込み群と密度行列繰り込み群であった.前者は園田が中心となり,後者は西野が中心となった. 厳密繰り込み群は有限のカットオフをもちい連続極限を表す場の理論の手法である.本研究で得られた成果を箇条書しよう. 1.厳密繰り込み群の方程式の解の紫外領域での漸近的振舞いを解析することにより,連続極限を記述するパラメタを得た. 2.厳密繰り込み群方程式を積分方程式で定式化して,摂動的な形式解を得た. 3.上の1のパラメタ表示の方法をQEDに導入した.Ward恒等式がパラメタの間にどのような関係をもたらすか解析し,摂動展開を構成した. 密度行列繰り込み群は,実空間繰り込み群の考えを数値計算手法に持ち込んで得られたものである.本研究で得られた成果を箇条書きしよう. 1.密度行列繰り込み群の考え方の背景にある,行列積波動関数に対する変分手続きを解析し,数値的に高速に動作する「積波動関数繰込み群」を開発した. 2.行列積を高次元に拡張したテンソル積について同様に変分形式を考えることにより,密度行列繰込み群の高次元系への拡張手法である「テンソル積変分法」を定式化した. 3.「確率的光円錐密度行列繰込み群」や「スナップショット生成」など密度行列繰込み群の拡張を行った.これらを格子統計系に応用した結果として、2次元および3次ANNNI模型の精密相図や,対称16vertex模型の新たな臨界点などを得た.
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