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2002 年度 実績報告書

クリスタルビームの実現に向けて-極低温高速イオンビームの基礎物性に関する総合的研究-

研究課題

研究課題/領域番号 14340078
研究機関広島大学

研究代表者

岡本 宏己  広島大学, 先端物質化学研究科, 助教授 (40211809)

研究分担者 野田 章  京都大学, 化学研究所, 教授 (20114605)
伊藤 清一  広島大学, 先端物質化学研究科, 助手 (70335719)
小方 厚  広島大学, 先端物質化学研究科, 教授 (60023727)
キーワードクリスタルビーム / 線形ポールトラップ / 非中性プラズマ / 空間電荷効果 / レーザー冷却
研究概要

昨年まで使用していた分子動力学コードに大幅な改良を加え、、実際のレーザー冷却過程がシミュレートできるようにした。フォトンの吸収およぴ放出時における拡散加熱効果をモンテカルロ法で導入すると共に、冷却セクションでのレーザービーム径の変化も正確に取り入れた。この新コードを用いた数値実験は現在進行中であるが、予備的な結果を見る限り、ビームの結晶化を実現するには蓄積リングの設計パラメータを入念に最適化する必要がありそうである。また、共鳴結合法を適用せずに、自然のクーロン結合のみに頼って横方向自由度のビーム冷却を行うのはきわめて困難であることがあらためて確認された。尚、計算時間の短縮と計算精度のさらなる向上を目指し、現在全く新しい分子動力学コードの開発を進めている。
一方、実験面では、高周波四重極トラップ(リニアポールトラップ)の設計・製作を行った。トラップしたプラズマの特性やその観測方法、将来レーザー冷却実験を行う際の便宜などを総合的に考慮し、電極の大きさや高周波の周波数・電圧振幅を決定した。以下が基本パラメータである:(1).電極ロッド:直径23mm軸長150mm(2).イオン種:^<40>Ca^+(3).高周波周波数:1MHz以下(4).高周波電圧振幅:600V(最大)(5).波形:矩形
1MHz-500Vでカルシウムイオンを捕獲した場合、冷却前の状態におけるベータトロン振動の位相進みはおよそ150度になる。また、プラズマのコア部分の直径は数mm程度になるものと予想され、冷却用レーザーとの十分なオーバーラップが見込める。^<40>Ca^+冷却用のレーザー発信器は既に購入し、光学系の整備も行ってはいるが、まず最初は手軽なバッファガス冷却を試してみる予定である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] H.Okamoto: "Parametric resonances in intense one-dimensional beams propagating through a periodic focusing channel"Nuclear Instruments and Methods. A482. 51-64 (2002)

  • [文献書誌] H.Okamoto: "Particle beam resonances driven by dispersion and space charge"Nuclear Instruments and Methods. A482. 65-78 (2002)

  • [文献書誌] H.Okamoto: "Radio-frequency quadrupole trap as a tool for experimental beam physics"Nuclear Instruments and Methods. A485. 244-254 (2002)

  • [文献書誌] H.Okamoto: "Some remarks on beam crystallization"Ion Beam Cooling : toward the crystalline beam (World Scientific Publishing Co.). 160-175 (2003)

  • [文献書誌] A.Ogata: "Extremely low-emittance low-current RFQ with ion trap injector"Quantum Aspects of Beam Physics. 269-278 (2002)

  • [文献書誌] Y.Yuri: "Effect of a longitudinal radio-frequency field on crystalline beams"Journal of the Physical Society of Japan. 71. 1003-1004 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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