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2002 年度 実績報告書

Kπ粒子の散乱長測定による非摂動領域におけるQCDの検証-発展DIRAC実験-

研究課題

研究課題/領域番号 14340079
研究種目

基盤研究(B)

研究機関京都産業大学

研究代表者

竹内 富士雄  京都産業大学, 理学部, 教授 (40121537)

研究分担者 千葉 雅美  東京都立大学, 大学院・理学研究科, 助手 (60128577)
小林 正明  高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 教授 (40013388)
岡田 憲志  京都産業大学, 理学部, 教授 (90093385)
キーワードDIRAC実験 / PS212 / QCD / 二中間子原子 / カイラル摂動理論 / シンチレーティングファイバーホドスコープ / S波散乱波長 / CERN・PS
研究概要

本研究の目的はCERNにおけるDIRAC実験を遂行する事によって,π^-とπ^+がクーロン力で束縛されたπ^-π^+原子の崩壊寿命を直接測定し,π中間子のS波散乱長を求め,これをカイラル摂動理論で計算した散乱長と5%以内の精度で比較することにより非摂動領域でのQCDの検証を行うことである.
1998に新しいこの実験のためのビームラインが完成後徐々に装置を改良し,又プライマリビーム強度を上げながらデータの取得を行ってきた.本年度は6ヵ月間ビームを貰い,順調にデータ取得を行った.
現状で,得られたデータの質は良く,2000-2002年に取得したデータについて今解析を進めている所である.標的はPt, Ni, Tiについてデータを取得している.2002年のデータのすべての解析が終れば±14%の精度で寿命が決定でき,2002年のデータ取得後には所期の5%の精度で10%の精度で散乱長を決定できるものと思われる.実験結果並びに実験装置については国際学会等で報告しているが,現在いくつかの論文を投稿中/準備中である.
本年度も亦上記に平行して種々の技術的な改良を行ってきた.トリガー,トラッキング両方の役割を負っているシンチレーティングファイバーホドスコープを既存の2面に斜めの座標を読むための1面を加え,効率,棄却率ともに改良できるようにした.これは本年度データ取得に先立ってスペクトロメータに挿入され,高い信頼性と検出効率でデータ取得に役立ってきた.更に今後Kπ原子の寿命測定を視野に入れ,より強い1次ビーム中で優れたトリガーを作るための新しい0.25mmファイバーを用いたホドスコープのプロトタイプを夏までに制作し,テステビームラインでテストを行ってよい結果を得た.これに基づき年度の終りまでに5cm×5cm2面のホドスコープを制作した.これは来年度にテストの予定である.

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] L.Afanasyev et al.: "The multilevel trigger system of the DIRAC experiment"Nucl. Instr. Meth.. A491. 376-389 (2002)

  • [文献書誌] M.Kobayashi et al.: "Silicon strip detector as a real-time, fast, medium-segmented hodoscope"Nucl. Instr. Meth.. A487. 353-364 (2002)

  • [文献書誌] F.Gomeg et al.: "DIRAC EXPERIMENT"Nucl. Phys. Proc. Suppl.. 96. 259-266 (2001)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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