研究分担者 |
石川 正 高エネルギー加速器研究機構, 計算科学センター, 助教授 (90184481)
金子 敏明 高エネルギー加速器研究機構, 計算科学センター, 教授 (40177522)
川端 節彌 高エネルギー加速器研究機構, 計算科学センター, 教授 (40152996)
栗原 良将 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助手 (50195559)
藤本 順平 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助手 (90202291)
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研究概要 |
本グループにより開発されている、GRACEと呼ばれるファインマン振幅の自動生成プログラムを改良し、QCD(強い相互作用を記述する場の量子力学的理論)の高次補正効果を取り入れたイベント・ジェネレータ(仮想事象生成プログラム)を作成するための基礎的研究を引き続き行った。 平成15年度においては、陽子・(反)陽子衝突における多体生成反応のジェネレーターである,GR@PPAを作成しプログラムを公開した。本プログラムは昨年度公開したGR@PPA_4bプログラムを拡張し,より一般的な枠組み上に以下の反応過程のトリー近似(LO)イベント・ジェネレータを集大成したのもである: 1)W+jets(3ジェットまで) 2)Z+jets(3ジェットまで) 3)4-ボトム クォーク生成過程(GR@PPA_4b) 4)トップクォーク対生成(および,その崩壊を含む)過程 5)2ボソン生成(WW,WZ,ZZ,および4フェルミオンへの崩壊を含む)過程 高次補正としては4点関数の1-ループ図を計算するライブラリーを作成し,光子+ジェット生成過程に対して1-loop (NLO)計算を行った。次元正則化による次数が最も高い赤外発散項がキャンセルすることを確認した。 また,ハドロン衝突における初期状態からのジェットの輻射に関してQCD理論におけるNext-to-Leading次数の寄与をモンテカルロ法で計算するパートンシャワー模型を開発した。既存の構造関数の結果を再現することを確認した。上記のNLO計算と併用することで,QCDによる従来にない予言精度を有するイベントジェネレータを開発できることが明らかとなった。
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