研究課題/領域番号 |
14340082
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研究機関 | 高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
千葉 順成 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教授 (50126124)
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研究分担者 |
上窪田 紀彦 高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 助手 (10183782)
古川 和朗 高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 助手 (00190132)
中川 秀利 高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 助手 (80164143)
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キーワード | 加速器制御 / ビーム構造 / タイミングシステム / EPICS / 波形データ / フィードバック / VME / 計算機制御 |
研究概要 |
現在建設が進められている大強度陽子加速器の線型加速器は、約500マイクロ秒のビームバンチの中に数100ナノ秒巾のマイクロビーム構造がある。効率的な加速を実行するためには、これまでのように時間的に平均されたビーム情報を用いて調整するのではなく、このマイクロビームのひとつひとつについて、線型加速器の上流から下流までの履歴を正確にトレースすることが肝要である。全てのマイクロビームについての情報を処理することが望ましいことは確かではあるが、それ以上に重要なことは、400メートルにも及ぶ線型加速器の各所で個々のマイクロビームを正確に同定することである。具体的には次のようなシステムを構築することになる。(1)タイミング分配システムで個々のマイクロビームを同定できるようにする、(2)高周波源のパワーと位相、加速管の電磁レベル、ビームモニタの波形情報などのデータを加速器の数10個所で収集する、(3)そのデータにタイミング情報を付け加えてローカルメモリに格納する、(4)ホスト計算機が同一のマイクロビームについてのデータをローカルメモリから収集し、マイクロビームの履歴を精査して最適の運転パラメタを求める。 今年度は、国外の加速器施設における類似した研究を視察し議論によって理解を深めるとともに、タイミング分配システムの設計と試作品の製作、及び、制御全体をコントロールするEPICSと呼ばれるソフトウェアツールへ波形データを取り込むためのデバイスドライバーの開発等を行った。タイミング分配システムでは、加速器全体に1ナノ秒の精度でトリガー信号を送信する技術が確立した。
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