研究課題/領域番号 |
14340085
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研究機関 | 特殊法人理化学研究所 |
研究代表者 |
和田 道治 理化学研究所, 原子物理研究室, 先任研究員 (50240560)
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研究分担者 |
片山 一郎 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 教授 (30028237)
岡田 邦宏 上智大学, 理工学部, 助手 (90311993)
山崎 泰規 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (30114903)
中井 陽一 理化学研究所, 原子物理研究室, 先任研究員 (30260194)
小島 隆夫 理化学研究所, 原子物理研究室, 先任研究員 (90211896)
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キーワード | 高周波イオンガイド / イオンガイド / 不安定核ビーム / 超微細構造異常 / イオントラップ |
研究概要 |
高エネルギー重イオンビームの破砕核反応によって生成される不安定核イオン(Be-11など)を、高効率で減速・冷却し、イオントラップに捕集し、レーザー・マイクロ波多重共鳴分光によって超微細構造の精密分光を行うための技術開発を進めている。 1.オンライン捕集試験 理化学研究所加速器施設において、高エネルギー重イオンビームの破砕核反応によって得られる核子あたり70MeVのLi-8イオンを、高周波イオンガイド法によって全効率1%の高効率で低速ビームとして得ることに成功した。2mX40cmφのガスセルに100TorrのHeガスを充填し、入射Li-8イオンの一部を停止・熱化する。このイオンはガスセル出口に設置した28mmφのRFカーペット電極から侵入した静電場によって電極表面まで導かれる。表面に達したイオンはRF電場のバリアによって表面から距離を保ちつつ中心の0.8mmφのノズルは導かれ、真空中に引き出される。このような高エネルギーの入射ビームに対して全効率1%を達成できたことは世界でもまだ類を見ない成果である。 2.オフライン分光実験 ベリリウムの安定同位体(Be-9)を用いて、精密分光の試験を行った。超伝導ヘルムホルツ磁石を用いた線形複合型トラップにBe-9イオンをトラップし、レーザーと2種類のマイクロ波によって基底順位の超微細構造のゼーマン分離を精密に測定する。これによって磁気超微細構造定数と核g因子をそれぞれ10-9、10-6の高精度で決定できることが確認できた。測定は任意の0.5T程度の強磁場を用いて、200msの短い測定サイクルの繰り返しによって成すことができた。これは短寿命核の精密分光への道を開くものである。
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