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2002 年度 実績報告書

鉛フリーなリラクサー強誘電体および巨大圧電物質の開発と物性解明

研究課題

研究課題/領域番号 14340094
研究機関島根大学

研究代表者

秋重 幸邦  島根大学, 教育学部, 教授 (50159331)

研究分担者 重松 宏武  島根大学, 教育学部, 助教授 (40281068)
松本 一郎  島根大学, 教育学部, 助教授 (30335541)
川口 高明  島根大学, 教育学部, 助教授 (10273913)
三好 清貴  島根大学, 総合理工学部, 助手 (10294365)
キーワード鉛フリー / 強誘電性 / リラクサー / チタン酸バリウム / 層状ペロブスカイト / 圧電性 / 酸素欠損 / 構造相転移
研究概要

不揮発性メモリーとして強誘電体薄膜(FeRAM)が製品化された。今のところ、ICメモリーカードなどの低容量製品であるが、いくつかの応用上の問題が解決されれば、大容量のDRAMなども、FeRAMに凌駕されるだろう。強誘電体は21世紀のキーマテリアルである。しかし、巨大誘電率をもつリラクサーや、すでに広く使われている圧電素子などの材料は、Pb(Mg_<1/3>Nb_<2/3>)O_3、PbZr_<1-x>Ti_xO_3(PZTと呼ばれる)のような、鉛を含む強誘電体である。鉛の環境への悪影響を考えるとき、鉛フリーな材料の開発が急務になっている。
本研究では、鉛系に変わる材料として、一つには、チタン-バリウム酸化物をベースにリラクサーの開発を試みた。TiO_2リッチ組成からの単結晶育成を試み、従来BaTi_2O_5と呼ばれていた針状結晶が430-480℃付近で強誘電相転移を起こし、その時誘電率が40,000にも達することを見出した。非鉛系の新しい強誘電体材料として、特許出願を行った。EPMAでの化学分析からTiリッチなBaTiO_3であること、X線構造解析より単斜晶系で空間群C_2であることなど明らかとなった。酸素欠損の微妙な違いで、シャープな転移からリラクサー状のブロードな転移に代わるなど興味深い振る舞いがあり、これから解明すべき点が数多く残っている。二つめは、層状スラブ構造をもつSr_2Nb_2O_7をベースに、材料開発を試みた。Sr_2Nb_2O_7の強誘電性相転移温度は1342℃と非常に高い。SrをBaで50%ほど置き換えると、その転移温度は室温付近まで低下する。我々は、この混晶系に、PZTと同じような濃度相境界が存在することを見出し、2002年8月の日韓強誘電体会議で招待講演を行なった。また、本研究費で購入したFZ炉を用いて、Ba添加のSr_2Nb_2O_7単結晶の育成に挑戦し、現在32%まで置換した単結晶を育成できるようになった。結晶の更なる大型化向け、育成条件の検討を行なっている。誘電率の温度依存については基礎的データ揃ってきた。結晶構造や圧電率の大きさなど未解明であり、これからの課題である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Y.Akishige, T.Michiie, T.Tsunogae: "Ferroelectric Curie Temperature of BaTiO_3 Single Crystals Grown by A Flux Method"Ferroelectrics. 269. 249-254 (2002)

  • [文献書誌] N.Mori, S.Todo, Y.Akishige: "Metallization of Magnetite at High Pressures"Physica B. 312-313. 686-690 (2002)

  • [文献書誌] Y.Akishige, M.Kamata, K.Fukano: "Successive Phase Transition of (Sr_<1-x>Ba_x)_2Nb_2O_7"J. Korean Phys. Soc.. (印刷中). (2002)

  • [文献書誌] 秋重幸邦, 釜田美紗子: "ペロブスカイト関連層状構造を持つA_2B_2O_7型酸化物強誘電体の結晶化学"島根大学教育学部紀要(自然科学). 36(印刷中). (2002)

  • [文献書誌] 編者:Y.Shiozaki, E.Nakamura 著者:Y.Akishige: "Ferroelectrics and Related Substances : Subvolume A2,Oxides編者:Y.Shiozaki, E.Nakamura"Springer-Verlag. (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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