研究課題/領域番号 |
14340095
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
固体物性Ⅰ(光物性・半導体・誘電体)
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
唐沢 力 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90106336)
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研究分担者 |
赤井 一郎 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20212392)
鐘本 勝一 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 助手 (40336756)
飯田 武 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80047191)
鈴木 正人 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 講師 (70254381)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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キーワード | 層状結晶 / BiI_3積層欠陥励起子 / GaSe / 半導体量子細線 / 励起子のコヒーレント伝播 / 励起子のボース凝縮 / 縮退四光波混合 / Gross-Pitaevskii方程式 |
研究概要 |
@BiI_3結晶中の積層不整二次元界面に励起される擬二次元励起子(SFE励起子)、GaSe結晶母体励起子、GaAs/AlGaAs系傾斜基盤上成長量子細線励起子などの励起子系をレーザー光を用いて高密度に光励起し、その発光および非線形光学応答スペクトルに時間-空間分解分光法を適用して励起子集団の量子凝縮相の形成とその空間的挙動を調べた。その結果、 1)SFE励起子系では、光励起による高密度励起子集団のコヒーレント伝播により誘起された非線形分極からの縮退四光波混合光(DFWM)信号の波数ベクトル選択性と、DFWMスペクトルが示す励起子間微小反発相互作用の存在が明らかになった。この励起子集団の空間-時間的発展を、非線型Schrodinger方程式(Gross-Pitaevskii方程式)で計算し、実験データを再現した。この結果より、SFE励起子集団のコヒーレント伝播に起因する振舞いを,励起子の量子凝縮相であるボース凝縮相が形成されたと理解した。 2)GaSe励起子系では、高密度下では強い励起子間反発相互作用の結果、励起子-励起子散乱,励起子-自由キャリア散乱により励起子は反跳を受けて発光消滅過程へ移行し、その結果集団的コーヒーレンスが形成されず、ボース凝縮相へ移行しないことが明らかになった。 3)GaAs/AIGaAs系傾斜基盤上成長量子細線において、励起子を高密度に励起しスペクトル変化及び空間拡散のダイナミックスから、励起子間斥力相互作用の存在と格子サイトヘの緩和の機構を明らかにした。 @上記の系以外に、高輝度発光材料Alq_3、光捕集性デントリマー分子、π共役性をもつ伝導性ポリマー:ポリチオフェン、銅クラスター複合錯体などの光励起状態、励起子遷移およびその高密度効果を新しい視点から捉え、その線形・非線形光学応答の基礎データを蓄積した。
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