2003 年度実績報告書

低次元磁性体における多体相互作用および量子相転移の理論的数値的研究

研究課題

研究課題/領域番号	14340099
研究機関	東京大学
研究代表者	高橋實東京大学, 物性研究所, 教授 (40029731)
研究分担者	坂井徹東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (60235116) 城石正弘東京大学, 物性研究所, 助手 (80323632)
キーワード	低次元系 / スピン系 / 厳密解 / ベーテ仮説 / 相関関数 / 熱力学 / 厳密対角化 / 磁化曲線
研究概要	・1次元ハイゼンベルグ模型の静的相関関数この系の相関関数については最近接相関および第2近接相関が知られていたが我々は第3近接相関を解析的に求めることができた。第4近接相関の計算も現在進行中である。またXXZ模型への拡張にも成功し、非等方パラメーターの関数として3個および4個の連続したスピンの上のすべての相関関数が厳密に求められた。ベーテ仮説可解系の相関関数の計算は不可能と考えられてきたのでこれはおおきな進歩である。この模型のEmptiness Formation Probabilityと呼ばれる相関関数の漸近的な振る舞いを解析することができた。これはPhysics Lettersに発表された。この関数はガウス的減衰をするが、これに対する補正項まで詳しくもとめられた。・1次元XXZ模型の動的相関関数の計算も行っているが、ベーテ仮説法による厳密な計算で最近急激に発展した方法である。またこの結果は中性子散乱の実験とも密接に関連している。計算もかなり進展し、論文をまとめる段階になっています。数学的に難解な理論を使って動的相関関数を計算し、実験と比較できるところまで来ている。・可解模型の熱力学の研究ではUimin-Sutherland模型やSU(4)模型のような複雑な模型についても、非線形熱力学方程式が導出された。これは前年度に行われた、XXZ鎖にたいする非線形積分方程式の拡張になっている。熱力学的な量(比熱、帯磁率)等の計算が進展した。また熱伝導度や熱起電力の計算も進展した。またHubbard模型のグリーン関数における相関距離も求められた。・スピンラダー系の熱力学をSU(4)スピン系の問題として扱い比熱、磁化曲線等の計算を行い、実験とよく一致する結果が得られた。

研究成果

(6件)

すべてその他

すべて文献書誌 (6件)

[文献書誌] K.Sakai, M.Shiroisi, Y.Nishiyama, M.Takahashi: "Third Neighbor Correlators of Spin-1/2 Heisenberg Antiferromagnet"Phys.Rev.E. 67. 065101(R)1-065101(R)4 (2003)
[文献書誌] M.Takahashi: "Thermodynamics and Correlation Functions of XXZ Chain"Czechoslovak Journal of Physics. 53. 1125-1130 (2003)
[文献書誌] M.Takahashi, G.Kato, M.Shiroishi: "Next Nearest Neighbor Correlation Functions of the Spin-1/2 XXZ Chain at Massive Region"J.Phys.Soc.Jpn.. 73. 245-253 (2004)
[文献書誌] A.Kluemper, K.Sakai: "The thermal conductivity of the spin-1/2 XXZ chain at arbitrary temperature"J.Phys.A. Math.Gen.35. 2173-2182 (2002)
[文献書誌] T.Sakai, N.Okazaki, K.Okamoto, K.Kindo, Y.Narumi, Y.Hosokosi K.kato, K.Inoue, T.Goto: "Magnetization plateaus in S=1 spin ladder"phys.stat.sol.. 236. 429-432 (2003)
[文献書誌] M.T.Batchelor, X.W.Guan, N.Oelkers, K.Sakai, Z.Tsuboi, A.Foerster: "Exact results for the thermal and magnetic properties of strong coupling ladder compounds"Physical Review Letters. Vol.91,No.21. 217202-1-217202-4 (2003)

2003 年度 実績報告書

低次元磁性体における多体相互作用および量子相転移の理論的数値的研究

研究代表者

高橋 實 東京大学, 物性研究所, 教授 (40029731)

研究成果

[文献書誌] K.Sakai, M.Shiroisi, Y.Nishiyama, M.Takahashi: "Third Neighbor Correlators of Spin-1/2 Heisenberg Antiferromagnet"Phys.Rev.E. 67. 065101(R)1-065101(R)4 (2003)

[文献書誌] M.Takahashi: "Thermodynamics and Correlation Functions of XXZ Chain"Czechoslovak Journal of Physics. 53. 1125-1130 (2003)

[文献書誌] M.Takahashi, G.Kato, M.Shiroishi: "Next Nearest Neighbor Correlation Functions of the Spin-1/2 XXZ Chain at Massive Region"J.Phys.Soc.Jpn.. 73. 245-253 (2004)

[文献書誌] A.Kluemper, K.Sakai: "The thermal conductivity of the spin-1/2 XXZ chain at arbitrary temperature"J.Phys.A. Math.Gen.35. 2173-2182 (2002)

[文献書誌] T.Sakai, N.Okazaki, K.Okamoto, K.Kindo, Y.Narumi, Y.Hosokosi K.kato, K.Inoue, T.Goto: "Magnetization plateaus in S=1 spin ladder"phys.stat.sol.. 236. 429-432 (2003)

[文献書誌] M.T.Batchelor, X.W.Guan, N.Oelkers, K.Sakai, Z.Tsuboi, A.Foerster: "Exact results for the thermal and magnetic properties of strong coupling ladder compounds"Physical Review Letters. Vol.91,No.21. 217202-1-217202-4 (2003)

2003 年度実績報告書

高橋實東京大学, 物性研究所, 教授 (40029731)