研究課題/領域番号 |
14340099
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
高橋 實 東京大学, 物性研究所, 教授 (40029731)
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研究分担者 |
城石 正弘 東京大学, 物性研究所, 助手 (80323632)
坂井 徹 日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究主幹 (60235116)
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キーワード | 低次元系 / スピン系 / 厳密解 / ベーテ仮説 / 相関関数 / 熱力学 / 厳密対角化 / 磁化曲線 |
研究概要 |
・基底状態での1次元ハイゼンベルグ模型の静的相関関数 この系の相関関数については前年度までに第4近接相関まで計算できた。この論文はNuclear Physicsに掲載された。平成17年度はgenerating functionの方法を考案し、第5、6および第7相関を計算することができた。また前年度では連続した5つのサイトの密度行列を計算したが今年度は6つのサイトの密度行列が計算できた。これも論文をまとめているところである。 また有限温度での相関関数emptiness formation probabilityの計算では高温展開を高次まで行うことができた。この論文はJouranl of Physics Aのレターに掲載された。 ・可解模型の熱力学の研究ではUimin-Sutherland模型やPerk-Schultz模型のような複雑な模型についても、高橋が2001年にXXZ模型で提唱したタイプの非線形熱力学方程式が導出することができる。熱力学的な量(比熱、帯磁率)等の高次までの計算が進展した。このような模型はある種のラダー系に対応していて実験上も重要である。 また熱伝導度や熱起電力の計算も進展した。またHubbard模型のグリーン関数における相関距離も求められた。 ・リング交換相互作用のあるスピンラダー系の磁場誘起量子相転移。スピンラダーや正方格子のようにプラケットのある強相関電子系では、一般にリング交換相互作用と呼ばれるプラケット上の4スピンを同時に交換する相互作用が存在する。これはt-J模型に4体スピン相互作用を付け加えたものになっている。今年度は、ハイゼンベルグ・スピンラダー系を取り上げ、このリング交換がもたらす新しい磁場誘起相転移について、数値的厳密対角化と有限サイズスケーリング、及び縮退摂動論で解析した。
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