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2003 年度 実績報告書

少数キャリアー系Ceモノプニクタイドにおける局在から遍歴に至る特異な電子現象

研究課題

研究課題/領域番号 14340107
研究機関東京都立大学

研究代表者

神木 正史  東京都立大学, 理学研究科, 教授 (30004451)

研究分担者 桑原 慶太郎  東京都立大学, 理学研究科, 助手 (90315747)
岩佐 和晃  東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (00275009)
キーワード少数キャリアー系 / 磁気ポーラロン / P-f mixing / 中性子回折 / X線回折 / Ce-モノプニクタイド
研究概要

少数キャリアー物質Ceモノプニクタイトには,比較的不安定な4f電子軌道と希薄キャリアーとの相互作用に基づく,新しい物理的現象が存在すると考えられる.本研究の目的は,この新しい物理現象についての認識を深めることにある.本年度は以下の研究を行った.(1)CePの高圧下の磁気構造の中性子散乱による研究:CePについては,昨年度までの研究により,約2GPaまでの圧力下で,2種類のCeイオンの状態が特異な長周期配列をする磁気構造が,圧力とともにその周期を短くしながら現れ,さらに約2GPa以上では,大きな磁気モーメントを持ったCeのみからなる複雑な磁気構造を示すこと,さらに3.2GPaの高圧下で系が強磁性のみを示すことが明らかになっていた.本年度はこの強磁性相がより高い圧力でどのように変化をするかを調べるためにさらに高い圧力下の実験に挑戦し,3.9GPaまでの圧力下の中性子回折の実験を成功させることができた.この結果,圧力とともに,強磁性の飽和磁化が減少することを見いだした.(2)CePの高圧下の結晶構造のX線回折による研究:CePの高圧下の磁気相図については,上記のように,約4GPaの圧力まで中性子回折の実験が進んでいるが,このような磁気相図の変化に対応する結晶格子の変化を知ることも,本研究を進める上で重要である.本年度は,このため,約3GPaから6GPaの圧力下の格子定数の温度変化の測定をダイアモンドアンビル法を用いて行った.その結果,系が低温で強磁性のみを宗す圧力以下では,低温秩序相で格子定数が減少するのに対し,これより高い圧力下では逆に増加するという興味深い事実が明らかになった.本年度はまた,これまでに得られていたCePの高磁場下の磁気相図の研究をより進めるために,SPring8において,約15Tまでの磁場下でのX線回折の実験を予定していたが,実験協力者の都合で実施できなかった.これについては,平成16年度早々に実施する予定である.

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] T.Osakabe et al.: "Magnetic P-T Phase diagrams of CeSb and CeBi"Acta Physica Polonica. 34. 1469-1473 (2003)

  • [文献書誌] A.Hannan et al.: "High field magnetic phase diagram of Ce P stadied by synchrotron radication X-ray diffraction"J.Magn.Magn.Mater.. (印刷中). (2004)

  • [文献書誌] K.Iwasa et al.: "Anomalous phonon excitations associated with strong p-f mixing effect of CeSb and CeBi"J.Magn.Magn.Mater.. (印刷中). (2004)

  • [文献書誌] T.Osakabe et al.: "High pressure apparatus for magnetic neutron diffraction beyond 3 GPa at low temperature"J.Magn.Magn.Mater.. (印刷中). (2004)

  • [文献書誌] M.Kohgi et al.: "Studies of unusual magnetic and electronic properties of the Low-carrier system CeP by synchrotron X-rays"Physica B. 345. 55-58 (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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