研究課題
分光器検出基部の多重化を進めた。各部の動作確認をし、遮蔽体の製作を進めた。また、三軸分光器の4軸制御化によって、四次元的な位相空間での非弾性散乱実験を行うための改造を進めた。PrO_<S4>Sb_<12>の[110]方向に磁場をかけ、秩序変数O_<XY>の反強四極子秩序が存在することを明らかにした。すなわち、この物質ではO_<XY>間の四極子相互作用が本質的であり、軌道揺らぎの超伝導の可能性に一歩近づく事に成功した。重い電子系超伝導体Pu115と比較する目的で、U115の音響フォノンを測定し、理論計算と比較の結果、よい一致を得た。ただし、[110]方向のフォノンのソフトニングが、理論計算と室温における測定結果との一致が悪く、低温でソフト化している可能性を考えている。このようなソフト化は超伝導転移によって影響を受ける可能性が高いため、Pu115の実験においても注意深く測定する予定である。NpTGa_5の磁気構造を決定し、5f電子によるバンドがフェルミレベル直下にくるために、磁気的相関が強く、またそのために遷移金属d電子が大きく影響を受ける事を明らかにした。すなわち、NpFeGa_5ではFe3dとNp-5f電子の混成バンドがフェルミ面に顔を出し、Feが小さな磁気モーメントを有する。NpCoGa_5およびNpNiGa_5では、dバンドは急激に深くなり、電子によって占拠される。さらに、磁気相互作用の大きさが、価電子数に伴って大きく変化する。NpNiGa_5およびNpRhGa_5における磁気転移とメタ磁性転移は、5f電子状態の変化による電子的な相転移である事を実験的に明らかにし、異なる5f軌道間の磁気的および四極子の相互作用の競合が重要である事を示した。
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Physica B (発表予定)