研究課題
基盤研究(B)
本年度は超ウラン化合物合成及び物性測定のための装置の整備を行なった。超ウラン化合物は放射能が非常に高いため、通常とは大きく異なった放射能を防ぐ環境での試料合成や物性測定行なう必要があり、そのための特別な設備が必要である。金属間Np化合物合成のためのNp金属調製する必要がある。このためNpO_2を溶解し、アマルガム法でNp金属を生成させる。今年度はアマルガム法を行なうためのガラス製セルを作製し、まずNp生成の予備実験としてウラン金属の生成を試みた。その結果、ウラン金属を1g/h程度で生成することに成功し、この技術を確立し、Np金属生成を試みる準備を終了した。NpO_2の秩序状態でゼロ磁場NMR測定を行い、^<237>Np信号を探索した。メスバウアー効果の実験結果からNMR(NQR)信号は10-150MHzにあることが推察されるのでこの周波数範囲で4.2Kにて信号探索を行なった。試料は焼結体2.8gのNpO_2である。標準試料としてYBa_2Cu_3O_7ペレットをコイルの下部に入れ常に共鳴状態を確かめながら探索をおこなったが、信号を見つけられなかった。その理由としてスピン格子緩和時間が長すぎることが挙げられる。そこで緩和時間が短くなる転移温度(25K)付近での探索を行なう予定である。Np金属間化合物のNMR測定を行なうための試料菅を設計した。Np試料尽強いα及びγ線を放射するので、密封型の試料菅に試料を封入する必要がある。特にNMRは粉末試料を用いる必要があり、かつ金属試料菅は電磁波をシールドしてしまうので使えない。そこでテフロンカプセル内にスタイキャストで固めた粉末を封入する方法を考案しカプセル等をデザインした。グローボックス内で試作したカプセルに粉末試料を問題なく封入できるかを試す準備を行なった。
すべて その他
すべて 文献書誌 (6件)