研究課題
基盤研究(B)
本研究において、多重同時計測運動量画像分光実験装置を設計・建設した。本装置を用いて測定した、CO2分子のO+-CO+-O1s光電子の三重同時計測による配向したCO2分子からのO1s光電子の角度分布パターンは、O1s光電離によりCO2分子の対称性がD∞bからC∞vに低下していることを明白に示した。O原子の1s軌道を光電離すると、振電相互作用により反対称伸縮振動が励起され、伸長した結合のO原子に内殻空孔が局在することは、今までの研究で知られていた。本研究では、反転対称性を示さないO1s光電子の角度分布パターンから、伸長した結合のO原子が右側にあるのか左側にあるのかを識別することを可能にした。そして、O1s光電子の角度分布パターンを解析することによって、内殻空孔は解離O+イオン側に100%の確率で局在していたことを明らかにした。また、C2H2分子をサンプルに選び、解離チャンネルを選別した配向C2H2分子からのC1s光電子の角度分布測定をおこなった。そして、解離イオン種が同じでない解離チャンネルにおいては、C1s光電子の角度分布のパターンが反転対称性を示さないことを発見した。この発見は、C1sに空孔を持つC2H2分子の対称性が、オージェ崩壊の時間スケール(数10fs)でD∞hからC∞vに低下したことをC1s光電子の角度分布測定で捉えたことを意味している。このように、分子の内部時計(オージェ崩壊)を利用して、数10fsの短時間に起る分子の構造変形を直接観測したのは本肝究が初めてである。これらの実験と平行して、従来の角度分解型の光電子・解離イオン同時計測実験装置を用いて、CO分子の振動準位を分解した配向COからのC1s光電子の角度分布測定を行い、形状共鳴におよぼす核振動の効果を明らかにした。
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