研究概要 |
熱対流をしている流体の温度場・測度場計測システムの開発を昨年度からおこなってきた。昨年度は機器の選定やハードウエアとソフトウエアの連携、セルの作成などをおこなってきたが今年度は、この計測系の実地試験をかねて熱プルームの形状解析、Entrainmentの解析をおこなった。システムのハードウエアの基本構成は、2次元シート光生成系(グリーンレーザー、ブルーレーザーと光学系)、高解像度カメラ、高分解能カメラ、および流体セルと移動観察用計算機制御稼働台、制御・データ処理計算機からなっている。温度場はローダミンを用いたLIF法および感温液晶粒子を用いたLCTC法、速度場はPIV/PTV法である。下部の固定熱源を用いた熱プルームの生成実験によってこのシステムの実用性がチェックされた(合同大会、EUG/EGS Meetingなどで成果発表)。その優れた温度場の可視化能力によりプルーム画像が雑誌「ニュートン」や東京大学出版会の教科書の口絵に採用された。 水飴、グリセロールなどの粘性流体を用いた熱プルーム生成実験により、熱プルームの大きさ、形状、上昇速度の測定をおこない、これらパラメーターのヒーターサイズ依存性やEntrainment量が明らかにされた。 また今年度後半より本研究テーマによるフランス・IPGPのグループ(A.Davaille, C.Jaupart)との共同研究がスタートし、粘性率の温度依存性の強い流体と依存性の無い流体との比較による上昇速度の違い、Entrainment量の違いを日仏両国で調べられている。
|