研究課題/領域番号 |
14340130
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
金沢 敏彦 東京大学, 地震研究所, 教授 (30114698)
|
研究分担者 |
篠原 雅尚 東京大学, 地震研究所, 助教授 (90242172)
塩原 肇 東京大学, 地震研究所, 助教授 (60211950)
|
キーワード | 海底地震 / 地震観測 / 開発 / 海域地震 / 広帯域地震観測 / 自己浮上式 / 埋設方式 / 広帯域海底地震計 |
研究概要 |
本研究の目的は、自己埋設方式を開発することによって低雑音な広帯域海底地震計を開発し、全地球で発生しているより小さな規模の地震まで十分な信号帯雑音比で高精度に波形記録することにある。具体的には、地震検出の限界を、我々が開発してすでに実用化した海底設置型広帯域地震計よりも、地震規模にして1下げることが目標である。観測できる地震規模を1下げることができれば、全地球構造トモグラフィのデータとなる走時データの蓄積という観点からは30年かかるデータ量を1年で集めることができるということであり、この分野の研究の進展を飛躍的に加速する。 本年度は、新たな着想に基づく自己埋設方式の広帯域海底地震計の実用的なデザインを決定するとともに、来年度の深海底での性能評価のための試験観測に向けて、最適化されたセンサー部を開発することが主たる課題である。本年度の実績は以下の通りである。 1、自己埋設方式の全体デザインに関しては、ほぼ終了した。我々が実用化した機動的な広帯域海底地震計を開発した際のノウハウ、海底設置および回収作業を通じて明らかになった改善点とその対策、および1年間以上に及ぶ地震観測データを解析して明らかにした海底と海底孔内における自然雑音スペクトルの特徴の知見を活用することによって、自己埋設方式として考えられるいくつかの選択肢の中から最適なデザインを確定した。 2、センサー部の最適化に関してもほぼ終了した。設置時に観測船上から音響通信を利用してセンサーを制御する必要性があること、特性や耐衝撃性について十分な情報があることなどの観点から、我々が実用化した機動的な広帯域海底地震計に使用している広帯域センサーを採用することとして、形状などに関しては自己埋設方式に適合させたものを製作した。
|