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2004 年度 実績報告書

透過弾性波による、破砕物質を挟んだ断層のすべり予測に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 14340134
研究機関横浜市立大学

研究代表者

吉岡 直人  横浜市立大学, 大学院・総合理学研究科, 教授 (10167728)

キーワード断層 / 破砕物質(ガウジ) / 透過弾性波 / すべり予測 / 地震予知
研究概要

本研究は、破砕物質(以下,ガウジ)を挟む断層の振る舞いを、断層を透過する波動によって監視し、透過波動の変化から、動的な破断に到る過程の詳細を把握し、すべりを予測し、将来の地震予知への手がかりを探るというものである.このため、まず室内実験において、模擬断層を対象として断層の透過波動を観察する必要がある.本年度は、実験装置の改善と,実験手順の確立を行った。
まず,ガウジとして,石英砂、大理石の粉末、滑石の粉末を用意した。これは、硬さの異なる岩石で弾性変形、塑性変形などの違いがすべりモードにどのような変化をもたらすかを探るためである。本年度は主に石英砂で実験を行った。ガウジ層を含む断層の実験では、裸岩と異なり、波動透過率が著しく悪い上に、すべりモードも安定しない。すべりモードを安定させる目的で、載荷実験の前にバイブレータでシステム全体に振動を与え、ガウジ層の圧密を行うことを考えた。これにより、すべりモードは安定し、再現性のある実験結果が得られるようになった。また、振動子として、およそ100KHzの固有振動をもつ振動子を用い、受診側にはチャージアンプをもつ加速度計を採用することにより、明瞭な透過波動が得られるようになった。また、透過波動を断層のすべる方向に沿って3点配置することにより、
石英砂を用いた、室温、乾燥状態の実験では、前兆的すべり段階で、振幅が著しく減少することが観察された。また、上盤が粒子1個分ほど上昇した(ダイラタンシー)。これは、この段階で、ガウジの再配置がおき、その後動的な破壊に至ることを示すものである。さらにさまざまな条件下で実験を行い、またモデルによるシミュレーションも合わせておこない、背後のメカニズムを探りたいと考えている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Monitoring the contact state of a simulated fault by transmission waves --- A laboratory experiment2005

    • 著者名/発表者名
      Iwasa, K., N.Yoshioka
    • 雑誌名

      Proc.CSNI Workshop on Seismic Input Motions, Incorporating Recent Geological Studies (In press)

  • [雑誌論文] Observation of transmission waves across a simulated fault in the whole loading process up to a dynamic fracture2004

    • 著者名/発表者名
      Iwasa, K., N.Yoshioka
    • 雑誌名

      Proc.1st Intern.Workshop on Active Monitoring in the Solid Earth Geophys

      ページ: 343-346

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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