研究課題/領域番号 |
14340138
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研究機関 | 独立行政法人海洋研究開発機構 |
研究代表者 |
中村 晃三 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球環境フロンティア研究センター, サブリーダー (20143547)
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研究分担者 |
新野 宏 東京大学, 海洋研究所, 教授 (90272525)
毛利 英明 気象研究所, 物理気象研究部, 主任研究官 (10354490)
森 厚 東京学芸大学, 第3部, 助手 (20272627)
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キーワード | 傾圧不安定 / 水平対流 / 回転流体 / 境界層 / クールアイランド / 乱流 |
研究概要 |
密度一様な回転流体の底面の円形の領域を冷却したときに生ずる軸対称な水平対流とこの流れの安定性を、大型回転実験装置を用いた室内実験と理論及び数値実験により調べた。 室内実験では大型回転装置を用いて回転数や底面の冷却温度などを変化させながら、軸対称の循環流と傾圧不安定擾乱が発生する条件を把握すると共に、PIVと熱電対を用いた流速測定を行い軸対称流や傾圧不安定擾乱の速度場の構造を明らかにした。 理論解析では回転系で底面冷却によって生ずる水平対流の非線形解の安定性を検討した。特に、不安定性擾乱の外部パラメータに対する依存性を調べた。次元解析の結果、軸対称流の曲率の効果が小さい場合(冷却領域の半径が変形半径にくらべて大きい場合)には、非線形水平対流の解は常に不安定であることが導かれた。曲率の効果は、流れの安定化に寄与し、曲率が大きいと、不安定化のためには十分大きな底面冷却あるいは回転角速度の存在が必要であることがわかった。 これ以外にも、非回転の非線形ヒートアイランド循環に見られる2つの流れのレジーム(ヒートアイランドの中心で上昇流最大のレジームと島の両端で上昇流最大のレジーム)の遷移が主として1つの無次元パラメータによって記述されることを発見し、その物理的解釈を行った。 また、一般風のある場合の下面冷却によって生じる流れ場の特性を調べるため、大型風洞を用いた実験を行った。特に、下面冷却によって生ずる循環流の流速場の構造をドップラー流速計、温度場の構造を白金抵抗温度計によって測定し、発散流と一般流との相互作用を調べた。
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