研究課題
木星オーロラの地上光学観測について以下のように研究を進めた。1.水素バルマーα線(656.3nm)での木星可視オーロラについて2005年2月に国立天文台岡山天文物理観測所の188cm望遠鏡と高分散分光装置(HIDES)を用いた観測結果を詳細に調べたところ装置雑音と同程度(S/N〜1)の信号がオーロラ出現が予想される木星極域に検出された。2.平成15年度および16年度にハワイ・ハレアカラ山頂で行ったファブリーペローイメージャーを用いたイオプラズマトーラスの観測の詳細な解析により、イオプラズマトーラス中の硫黄イオンの発光強度、硫黄イオンのバルク速度およびその木星磁場共回転速度からの遅れ、イオン温度(磁場並行および磁場垂直方向)の2次元分布が得られるようになった。この観測結果からイオプラズマトーラスへのプラズマ供給はイオから離れた場所では経度方向に比較的一様であり、年変化を示すことが明らかになった。平成16年度にはこれに加えてハレアカラ山頂の米国空軍研究所所属の口径3.7mAEOS望遠鏡に上記ファブリーペローイメージャーを接続し、補償光学装置も併用したイオ極近傍のナトリウム原子共鳴散乱発光の観測に成功したが、この観測の詳細な解析を行った結果イオの木星側と反木星側でナトリウムの分布が非対称であることが明らかになった。3.2005年3月までの観測結果およびその解釈を、2005年9月に英国ケンブリッジで開催された米国天文学会惑星分科会において発表した。
すべて 2005
すべて 雑誌論文 (6件)
Icarus 178(2)
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