研究課題
基盤研究(B)
本計画は、大型研究船舶を運航して、遠洋海域での観測研究を実施することを大きな特色としている。計画1年度目(平成14年度)は実験器具・観測装置の立ち上げ、整備等の準備を行った。計画2年度目(平成15年度)の11月に東京大学海洋研究所研究船"白鳳丸"(3987トン)を18日間運航してフィリピン海南部及び中部の海溝・島弧・背弧海盆系の海底地質観測を行った。南部マリアナ海溝内側斜面のドレッジ観測等による、マントル橄欖岩他の産状解析から、モホ面及び大規模なスラストの存在が確認された。更に、海底地震探査により、小笠原前弧域の母島海山の主体は蛇紋岩であることが示唆された。更に計画3年度目(平成16年度)の11-12月に研究船"淡青丸"(610トン)の13日間に渡る研究航海によりフィリピン海中部海域(小笠原前弧の母島海山)で、ドレッジ観測により、山頂部における、オフィオライト層序の存在を確認した。更に、現在までに入手した両海域の海底地質観測のデータ及び、海底地質試料の分析、解析、まとめを行った。本研究は南部マリアナの大断層崖上、及び母島海山でマントルに至る地質断面構成岩石の系統的採集と地質学的・岩石学的解析と地球物理学的観測を行い、両者の観測を有機的に結合させ、従来より分解能が数段高い、マントルに至る地質断面を構築、提出し、フィリピン海の海洋底の発達史を明らかにすることを目的とし、着実に成果をあげることが出来た。尚、平成15年2月27・28日「フィリピン海の地質・岩石・地球物理・テクトニクス」を中心としたシンポジウムを東京大学海洋研究所共同利用研究集会として開催し、その研究発表を196頁の論文集として公表した。更に、本計画の最終年にあたり、平成17年3月7・8日「フィリピン海の海底基盤岩と東北日本弧のマントル構造とマグマの比較研究」を主題とした、同様な研究集会を開催した(今秋出版予定)。
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