研究課題/領域番号 |
14340160
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
岩石・鉱物・鉱床学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
砂村 倫成 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (90360867)
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研究分担者 |
浦辺 徹郎 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (50107687)
松本 良 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (40011762)
荻原 成騎 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (50214044)
難波 謙二 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (70242162)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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キーワード | 海底熱水系 / 地下生物圏 / 微生物 / 低分子有機化合物 / 高温・高圧反応 / seifreid型熱水反応装置 / 経時変化 / 核酸(DNA・RNA) |
研究概要 |
本研究は、マグマ熱水系における有機化合物生成要因の解明を目的として実施した。マグマ熱水系における有機化合物は、岩石-水反応もしくは生物の熱分解により生産されることが予測される。地下生物圏を構成する微生物の熱分解過程に関する知見は非常に乏しいため、特に微生物の熱分解過程に着目し研究を行った。海底熱水系を模擬する装置として、新たに400℃、50MPaまで独立に圧力、温度を制御可能で、かつ経時的なサンプリングが可能なSeifreid型熱水反応装置を作成した。さらに、高温・高圧下を保った反応槽への微生物細胞の導入、および微生物細胞の定量的な回収を目的として、アキュムレーターサンプリング装置を開発した。本装置により、高温・高圧下にある反応相からの、微生物粒子を定量的な回収が可能となることが示された。これらの装置を用いて、大腸菌、および超高熱性メタン生成古細菌の熱水条件下(350℃、50MPa)における分解実験を行った。熱水条件下における微生物菌体の分解は反応開始後速やかに始まり、15分で1/10、1時間で1/1000、2時間以降は1/10000まで減少した。用いた微生物株の至適生育温度の違いは分解速度にほとんど寄与していなかった。そこで、大腸菌を用いて、細胞を構成する高分子化合物に着目し、細胞内高分子化合物の分解順序を調査したところ、分解順序は脂質→RNA→DNA→細胞形態であることが明らかとなった。一般に核酸、タンパク、脂質などの高分子化合物は、15分以内に速やかに分解されることが知られている。一方、岩石や粘土鉱物に吸着した高分子化合物は熱安定性を増すことが知られており、細胞体として存在する場合も熱安定性が上昇する可能性が示唆された。すなわち、マグマ熱水系において、細胞体としての高分子有機化合物は、従来考えられていたよりも長時間存在しうることが示された。
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