研究課題
基盤研究(B)
本研究は始原的限石と分化限石の生成・進化過程、相互の成因関係とそのタイムスケールを詳細に探ることを目的にすすめられた。以下に示すように、国際的にも注目される幾つかの成果が得られた。(1)希少な熱変成炭素質隕石(CKグループ)である神戸隕石の国際コンソーシアム研究を進め、特異な希土類元素パターンの発見、詳細な化学組成の決定、グループ共通の「暗色化」の成因解明に成功した。さらに初めてのウラン-鉛(U-Pb)年代決定、宇宙線照射年代と落下前のサイズの解明などに成功した。(2)アエンデ炭素質隕石(CVグループ)の細粒のマトリックス物質について初めて超微量希土類元素分析に成功し星雲起源を示す希土パターンを発見した。またコンドュールの詳細な化学・岩石学的記載とルビジウム-ストロンチウム(Rb-Sr)同位体分析を達成し新たな熱史のタイムスケール(44億年)を解明した。(3)始原的隕石からエイコンドライトへの分化の重要な手がかりとなる始原的エイコンドライト5個についてサマリウム-ネオジム同位体の精密分析をした。一つのアカプルコアイト隕石で精密な若い年代(4.13±0.10Ga)を得た。この結果は隕石母天体の若い熱史をうらずける初めての証拠として注目されている。(4)低ブランクによる精密な鉛同位体分析法を確立し新たに見された3つの南極産火星隕石について精密なU-Pb年代測定,Sm-Nd及びRb-Sr年代決定、さらに精密な希土類元素分析を達成した。(5)始原的隕石のMo同位体分析の結果、星内核合成過程を示す同位体比異常を発見した。また超精蜜なクロム及びバリウム同位体分析法を確立し、始原的隕石及び分化隕石について同位体比異常を見出した。(6)精密な塩素同位体(陽イオン)分析法を確立しアエンデ隕石及び9個の標準岩石について詳細な同位体比変動を明らかにした。また高感度の負イオン塩素同位体分析法を確立し今後への展望を見出した。
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