研究課題/領域番号 |
14340195
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
荒木 修喜 名古屋工業大学, 工学研究科, 教授 (30115670)
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研究分担者 |
川井 正雄 名古屋工業大学, 工学研究科, 教授 (60161270)
山村 初雄 名古屋工業大学, 工学研究科, 助教授 (80220440)
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キーワード | インジウム / ガリウム / 有機金属 / アジリン / アジリジン / 遷移金属 / キレーション / 立体選択性 |
研究概要 |
本研究は、有機インジウム反応剤を遷移金属と複合的に用いることにより、インジウム反応剤単独では為しえない新規有機合成反応や有機官能基変換を達成することを目的とするものである。本年度はインジウム反応剤をニッケル、パラジウム、およびイリジウム触媒と併用することによりこれまでにない新規な反応剤の開発と反応挙動を解明することに成功した。また、アジリン類がインジウム反応剤によって容易にアリル化され、高立体選択的にアジリジンを与えることを見出した。 (1)アジリン類のアリル化による置換アジリジンの立体選択的合成 3位に種々の置換基を有するアジリンがアリルインジウム反応剤によって容易にアリル化され、高収率で対応するアリルアジリジンを与えることを見出した。本アリル化反応は3位置換基によって高度に立体制御を受け、3位置換基が配位性官能基であるとそのキレーション効果によりシス付加、非配位性置換基の場合はトランス付加で反応が進行することを発見した。 (2)ジインジウムおよびジガリウム反応剤の合成と反応 分子中に2個のインジウム金属を有するジインジウム化合物は有機金属反応剤として有用であるがその合成法は限られていた。本研究によって、ジハロプロペン誘導体からジインジウム化合物および同族金属である対応するジガリウム反応剤が容易に調製できることが見出され、これら新規反応剤とアルデヒドなどの求電子剤との反応挙動の特徴が解明された。 (3)有機インジウム-遷移金属複合的反応剤の研究 アリルアルコール誘導体はニッケル触媒下、低原子価インジウムと反応して合成価値の大きいアリルインジウムを生成することが知られている。しかし、プロパルギルおよびアレニル誘導体についてはこれまで充分には研究されていなかった。本年度プロパルギルおよびアレニル誘導体から対応するインジウム反応剤を調製する手法を確立することに成功した。本研究はニッケル-インジウム複合反応剤を用いる高効率の有機合成手段を提供するものであり、その意義は大きい。
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