研究分担者 |
吉村 崇 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (90323336)
佐藤 渉 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (90333319)
高橋 成人 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (00197162)
大槻 勤 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (50233193)
永目 諭一郎 日本原子力研究所, 先端基礎研究センター, グループリーダー(研究職) (80354885)
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研究概要 |
本研究では、重元素領域(原子番号100番以上の元素)の化学の開拓のために,迅速化学操作と検出法を開発し,(1)いわゆる"Atom at a time chemistry"(単一原子の化学)の化学的基盤の確立,(2)重元素実験の第一ステップとして重アクチノイド元素ノーベリウム(No)の酸化還元実験,を行うことを目的とする。そのために、これまでに単一原子検出が可能な放射性物質(RI)を対象とし,RI製造用照射チェンバー,生成物搬送システム(ガスジェット法),迅速化学分離装置,測定試料調製・搬送装置,及び検出システムを組み合わせた単一原子化学実験システムの開発を行った。 本年度は、昨年度開発された化学実験装置を使った加速器オンライン実験テスト、及び化学操作部分の開発をおこない、さらに、Noのオンライン酸化反応を行い、イオン交換挙動より3価のイオン半径の導出を目指した。 ・既存のガスジェット搬送装置と^<252>Cf線源やRIトレーサーにより、2連カラムシステムのオンラインシミュレーションテストを行った。次に、理化学研究所のリングサイクロトロンを使って、核破砕反応による多種核種を導入し、オンラインによる希土類部分の相互分離テストを行った。これにより、装置的な問題点を洗い出し、改良を行った。 ・化学分離後試料に多様に対応できるよう液体シンチレーターによるα測定系の開発を行い、主に、溶媒抽出に対応する系でテスト実験を行った。 ・日本原子力研究所にて、既存の重元素化学分離装置を改良し、Noの生成とNo^<II>のオンラインイオン交換挙動実験を行った。次に、No^<III>の挙動を調べるべく、種々の酸化剤による酸化反応を試み、PbO_2被服のカラム法によるオンライン酸化反応実験を行ったが不成功に終わった。この結果に基づき、電解法による新たな方法論が検討された。
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