研究概要 |
平成14年度には、まず有機基成分を(-CH_2-)n(n=2)及びフェニレン基に持つ有機・無機ハイブリッドメソ多孔質材を合成法の確立とハイブリッドメソ空間での金属及び合金ナノ細線や一次元ナノ粒子などのナノ構造体のシップインボトル合成法の展開研究を行った。メソ細孔に導入したH_2PtCl_6やHAuCl_4の還元反応を光照射下で行うことにより、ハイブリッドメソ細孔内にアレイ型ネックレスナノ細線を作成することができた。鋳型合成されたネックレスナノ細線やナノ金属粒子をHF試剤を用いて抽出・単離して、STM/AFM装置を用いて構造測定を行ったところ、完全なネックレス構造であることを明らかにした。(1)細孔内に生成した一次元Pt, Pd, Auナノ粒子及びナノ細線の生成生長過程の微視的プロセスを、in-situ EXAFS法、高分解電子顕微鏡を用いて明らかにした。平成14年8月に本申請で購入したナノ局所操作AFM/STM解析装置を立ち上げて、メソ細孔から抽出単離されたPt及びAuのナノ粒子やナノ細線やPtPd, PtRhからなるネックレス型ナノ合金細線の構造評価に成功した。(2)有機成分基の種類(R=CH3,C2H4,C3H6,フェニル基等)に変えて作成した有機・無機ハイブリッドメソ多孔質を用いて鋳型合成されたナノ構造体(合金ナノ微粒子やナノ合金細線(PtRh, PdPt, AuFe等))の配向構造について研究を行った。(3)ナノ細孔内及び抽出・単離されたPtRh, PtPd, PtIr合金ナノ細線のガス吸着特性と表面構造解析の研究を行った。さらに、メタン及びエタンの選択的酸化反応に対する触媒作用を調べた。(4)FSM-16及びHMM-1で鋳型合成し単離抽出されたロッド型及びネックレス型ナノ白金細線につき無接触IV測定を行い、量子効果に基づくCoulombステップ曲線関係の初期的知見を得た。
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