光変調電気化学STMによる光励起局所電場のマッピングを行った。探針と試料の電気化学的な電位を溶液内にてそれぞれ独立に制御可能な電気化学走査型トンネル顕微鏡(STM)とレーザー光照射システムを組み合わせて光変調電気化学STMシステムを構築する。まず光照射のない暗下にて表面形状を決定し、試料表面の高さに関する情報を記憶させる。ついでSTMのトンネル電流のフィードバック回路をオフにし、先の記憶させた表面形状に沿って光照射下にて探針を走査させ、その際のトンネル電流を記録する。実験では、まずこのシステムにより誘起される光電流の探針-試料間の距離とバイアス電位依存性、電気化学的な絶対電位依存性、照射光強度と偏光方位異方性などを検討し、溶液内での光電子放出過程の特徴を明確にする。次いで、この金属探針先端に局在する電場を利用して局所的な電気化学的金属電析反応を誘起することに成功した。
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