研究概要 |
(1)ナノ分子の分子軌道法や密度汎関数法で最も時間のかかる二電子積分の高速化を実現した。に計算できる。また、Semi-In-Core法を開発して、超並列高速計算を実現した。 (2)ナノサイズの置換基を導入することにより、長年の課題であるケイ素-ケイ素三重結合をもつ安定な分子を設計して電子特性を明らかにした。 (3)金属内包フラーレンのCa@C_<72>, Ca@C_<74>, Ca@C_<82>, La@C_<82>等を取り上げて、特定の異性体が選択的に生成するエントロピーの温度依存性を系統的に明らかにした。 (4)分子デバイスへの応用が期待されるLa_2@C_<80>をジシリランなどの有機ケイ素分子の付加反応で外側から化学修飾することにより、2個のLa原子のランダムな三次元回転を面内の二次元回転に制限できることを理論予測した。また、スピン量子コンピュータへの応用やスピンプローブとして注目されているN@C_<60>とP@C_<60>のNとP原子上のスピン密度すなわちESR超微細構造定数も有機ケイ素分子の化学修飾によって制御できることを見いだした。また、様々な電子親和力とイオン化ポテンシャルをもつ有機分子や有機金属分子を内包する単層カーボンナノチューブの一連の理論計算により、電流の制御が可能であることを見いだした。 (5)遷移金属を内部ドープしたシリコンクラスターやゲルマニウクラスターの構造と電子状態の特性を明らかにした。またシリコンやゲルマニウムを骨格にもつホモ芳香族性の多面体構造の設計を行った。
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