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2004 年度 実績報告書

有機チタノセン錯体の特異な反応性の解明とその有機合成への応用

研究課題

研究課題/領域番号 14340228
研究機関東京農工大学

研究代表者

武田 猛  国立大学法人東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究部, 教授 (40111455)

研究分担者 坪内 彰  国立大学法人東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究部, 助手 (40272637)
キーワードチタン-カルベン錯体 / チオアセタール / 二価チタノセン / ビニルアレン / 共役ジエン / アシル化 / 還元的アルキル化 / シクロプロパン化
研究概要

本年度は不飽和カルベン錯体の調製とその反応性の解明を中心に検討を行い、以下に述べる成果を得た。トリアルキルシリル基が置換したアルキニルチオアセタールと二価チタノセンの反応により位置選択的に調製したアルキニルカルベン錯体とカルボン酸誘導体の反応について研究し、エステルとの反応ではカルボニル・オレフィン化生成物が、チオールエステルとの反応ではアシル化反応がそれぞれ選択的に進行することが判った。1,1-ジクロロ-1-オレフィンと二価チタノセンから誘導されるチタン-ビニリデン錯体と不飽和ケトンの反応によりビニルアレンが、アルキンとの反応では共役ジエンが得られることを見出した。ビニルアレンは1,1-ジクロロ-1,3-ジエンと二価チタノセンから誘導されるビニルビニリデン錯体とケトンとの反応によっても合成することができた。一方γ-クロロアリルスルフィドと二価チタノセンの反応により多置換ビニルカルベン錯体の調製を試みたところ、この錯体はチタナシクロブテンと平衡的に存在し、スチレンとの反応ではアルケニルシクロプロパンを与えるのに対して、ケトンとの反応はチタナシクロブテンを経由して進行し、ホモアリルアルコールを選択的に与えることが判った。
次に、チタン-アルキリデン錯体の新規反応として、カルボン酸アミドとの反応について詳細に検討し、反応後少量の水を加えて攪拌することにより、還元的アルキル化生成物である三級アミンが得られることを見出した。さらにアルキリデン錯体とピバル酸ビニルとの反応により、シクロプロパン誘導体が得られることを明らかにした。また、ベンゼン環に2及び3個のチオアセタール部位を持つ化合物と二価チタノセンから生成するマルチカルベン錯体と安息香酸誘導体との反応について検討した結果、エノールエーテル、アルケニルスルフィド、エナミン構造を持つ高度共役系を構築できることが判った。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (6件)

  • [雑誌論文] Transformation of Thioacetals to Cyclopropanes2005

    • 著者名/発表者名
      Takeshi Takeda
    • 雑誌名

      Tetrahedron Lett. 46・5

      ページ: 775-778

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] Cyclopropanation and Carbonyl Olefination Utilizing 2-(Alk-1-yn-1-yl)-2-(trialkylsilyl)-1,3-dithianes via Regioselective Generation of Titanium Alkynylcarbene Complexes2005

    • 著者名/発表者名
      Takeshi Takeda
    • 雑誌名

      J.Org.Chem. (in press)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [雑誌論文] Titanocene(II)-promoted reductive alkylation of anilides with thioacetals2005

    • 著者名/発表者名
      Takeshi Takeda
    • 雑誌名

      Tetrahedron Lett. (in press)

  • [雑誌論文] A new route to enol ethers2004

    • 著者名/発表者名
      Takeshi Takeda
    • 雑誌名

      Synthesis 9

      ページ: 1457-1465

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] Titanocene(II)-promoted Reaction of Thioacetals with Styrenes : Stereoselective Formation of (E)-β-Substituted Styrene Derivatives2004

    • 著者名/発表者名
      Akira Tsubouchi
    • 雑誌名

      Lett.Org.Chem. 1・4

      ページ: 357-359

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] Trialkylsilyl group-directed regioselective transformations of 2-(alk-1-yn-1-yl)-2-(trialkylsilyl)-1,3-dithianes to alkynylcyclopropanes and enynes2004

    • 著者名/発表者名
      Takeshi Takeda
    • 雑誌名

      Org.Lett. 6・18

      ページ: 3207-3210

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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