研究課題/領域番号 |
14340231
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
橋本 哲夫 新潟大学, 理学部, 教授 (50027439)
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研究分担者 |
今泉 洋 新潟大学, 工学部, 教授 (80126391)
澤田 清 新潟大学, 理学部, 教授 (40089850)
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キーワード | 放射線誘起ルミネッセンス / 赤外光励起ルミネッセンス / 熱ルミネッセンス / 発光ダイオード / カラー画像解析 / 冷却型CCDカメラ / 高感度撮影 / 天然鉱物 |
研究概要 |
白色鉱物や無機合成化合物と放射線との相互作用の結果、ごく一部の放射線エネルギーが残留し、加熱や光照射の結果ルミネッセンスとして観測でき、新たな物性情報をもたらすことが期待される。 4次元(強度・波長・温度・位置)から成るルミネッセンス測定システムの基本部分として、3種のプリズムを組み込んで時間差なしで連続的にRGBデータを413万画素、画素毎に12ビットで観測できる冷却3CCDビデオカメラを購入し、パソコンに取り組むことにした。ルミネッセンスは微弱光なので出来るだけ明るいレンズ(F-1.2程度)を取り付けると共に、10×10mm面積での個々の鉱物粒子からのルミネッセンス観測が出来るように、光学の専門家に依頼して設計して頂いた方式を基にして対物用のレンズを選んだ結果、画像を取り込むことに成功した。 励起源としてセラミックスヒータによる等速加熱に加えて、光照射励起源として、青色半導体レーザLED(日亜化学製)とともに赤外光LED(浜松ホトニクス製)を32個組み込むLEDホルダーを完成させた。今回特筆すべき成果として、放射線照射長石試料からの赤外光励起ルミネッセンス(IRSL)にこれまで観測不可能であった赤色領域のIRSLの画像撮影や精密測定に成功し、その結果をまとめた論文は外国学術誌に印刷中である。更には、酸化雰囲気で焼成した長石試料から、赤色IRSLの大幅な感度増加を観測しており、Fe(III)のルミネッセンス増加への関与を確認できた。焼成考古遺物のルミネッセンス年代測定との関連で焼成による長石の感度増加は注目される結果である。この方面の研究は英国オックスフォード大学グループとの先陣争いであり、よりバックグランドの減少と赤色ルミネッセンス検出域の適正化を今回の研究費で製作したLEDホルダーに小型の赤外線のみ通過させる短波長カットフイルタを装備することにより達成しつつある。 3CCD撮影システム・LEDホルダ共に、私共で開発した小型X-線発生器付きルミネッセンス自動測定システムに装備することにしている。 なお成果の一部は、アメリカ(ネバダ大学)で開催の放射能測定関連の国際会議(2002年6月)で発表するとともに、2002年度原子力学会学術業績賞を授与される光栄に浴した。
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