研究課題/領域番号 |
14340235
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研究機関 | 東京薬科大学 |
研究代表者 |
藤原 祺多夫 東京薬科大学, 生命科学部, 教授 (90090521)
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研究分担者 |
熊田 英峰 東京薬科大学, 生命科学部, 助手 (60318194)
櫻井 照明 東京薬科大学, 生命科学部, 講師 (30266902)
内田 達也 東京薬科大学, 生命科学部, 助教授 (30261548)
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キーワード | 蛍光光度法 / 導波現象 / テフロン / クロロフィル / 分光セル / 腐植物質 / スーパーオキシド |
研究概要 |
近年DuPont社から開発されたテフロンAF2400は水よりも屈折率が低く(n=1.29)また透明度も高いので、水溶液をコアとする導波路を形成することができる。水をコアとする導波路長光路セルを、本年度は葉緑体を持つ植物プランクトンの蛍光検出に用いた。まずTeflon AF2400にレーザー光(325nm)と溶液もしくは細胞懸濁液を導入し、垂直方向からクロロフイル蛍光(680nm)を10cmの分光器を通じて採取するシステムで検討を行った。この結果、クロロフィルについて0.002μg/mLの検出限界から1μg/mLまで、蛍光強度とクロロフィル濃度に直線関係があることを見いだした。現在細胞懸濁液については、キャピラリー内径(100μm)が細すぎるためか、光源の導波がうまくいってないが、例えばクロレラを対象とした場合、1cmの導波セルで約5個の細胞が検出されることを確認した。現在本システムを非分散(分光器を使わない系)にすることを進めている。すなわち冷却型高感度光電子増倍管を直接テフロン導波セルに接続、光子計数するシステムを構築している。一方導波セルを用いる分光システムの利用については、腐植物質から誘導される太陽光誘起スーパーオキシド陰イオンの発生検出するシステムを、フローインジェクション分析によって行う方法を確立した。太陽光照射に導波セルを活用することは、本来の研究目的である細胞自体を直接対象とするものではないが、植物細胞から派生する微量腐植物質の挙動を解明するシステム自体は、細胞由来の微量物質の自然環境系における挙動解析を可能化するものとして、有望である。
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