研究課題
基盤研究(B)
原形質流動は植物において一般的に見られる現象であり、細胞内における細胞小器官などの輸送の関与している。原形質流動の力発生にはアクチン・ミオシン系が関与している。本研究者らは、高等植物から初めて生化学的にミオシンを同定することに成功した。また、シロイヌナズナにおいては2種類のミオシン(ミオシンVIII,XI)と思われる遺伝子が存在することが知られている。原形質流動にミオシンXIが関係している。ミオシンのN末端は頭部を形成し、アクチンフィラメントの上を滑り運動する機能を持つものと思われる。また、ミオシンXIには3種類のアイソタイプがある。そのうちMYA2の機能について解析を行った。免疫蛍光抗体法を用い、葉の表皮細胞、根毛、培養細胞における、ミオシンの局在を解析したところ、いずれの細胞においても、アクチンフィラメントと共局在していることが分かった。孔辺細胞に特に多くのミオシンが存在することが分かった。その局在様式から、ペルオキシソームとの共局在が予測された。そこでGFPで標識されたペルオキシソームを持つ培養細胞による解析を行った。その結果、このミオシンはペルオキシソームと共局在することが分かった。すなわち、このミオシンはシロイヌナズナの細胞内において、ペルオキシソームの輸送に関与しているものと思われる。タバコ培養細胞において、生化学的に2種類のミオシンを同定することに成功している(170kDaミオシン、175kDaミオシン)。175kDaミオシンの小胞の輸送に関与していること、およびその細胞周期にともなう動態を明らかにした。
すべて 2005 2004
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