研究課題/領域番号 |
14340261
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
早川 洋一 佐賀大学, 農学部, 教授 (50164926)
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研究分担者 |
島田 公夫 北海道大学, 低温科学研究所, 助手 (30001663)
相沢 智康 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助手 (40333596)
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キーワード | 昆虫 / サイトカイン / レセプター / 血球 / 膜タンパク質 / チロシンリン酸化 / アワヨトウ / HighFive |
研究概要 |
GBP(growth-blocking peptide)は多機能性をもつ昆虫から始めて同定されたサイトカインである。多様な機能の中でも血球活性化と細胞増殖作用はその代表的生理活性であり、それらの活性発現に関わるレセプターは各々異なることが間接的に証明されている。このことは、GBPの多機能性を多様なレセプターの存在によって説明する上でも重要な意味を持つ。本研究ではこの点を実証するために、アワヨトウ幼虫血球細胞と昆虫培養細胞(HighFive)からGBPレセプターの単離と構造決定を目指してきた。現在、大きく二通りの方向からレセプターの単離を進めている。一方は生化学的手法で、GBPをリガンドにアフィニティークロマトグラフィーを用いてGBPに親和性を持つ細胞膜タンパク質を単離する方法。もう一方は分子生物学的手法を用いる方法で、培養細胞や血球細胞からcDNAを調製し、これらをアフリカミドリザル由来のCos7細胞で発現させ、その中からGBPと親和性を持つ膜タンパク質を提示している細胞をスクリーニングすることによってGBPレセプター遺伝子の同定を試みるというものである。今年度は、前者の方法をやや改良し、GBPに対する親和性に加え、GBP結合依存的なチロシンリン酸化がなされる血球細胞膜タンパク質の同定、単離を試みた。その結果、分子量約77kDaの膜タンパク質が単離でき、その一部のペプチド配列決定にも成功した。この配列情報を基にPCRによってcDNAの単離を試み、現時点でほぼ8割の塩基配列決定に成功した。アミノ末端寄りに細胞膜貫通ドメインが一ケ所存在することが確認できている。さらに、ORFの全長を明らかにすべく、RACE法によって5',3'両末端の一次構造を目指している。cDNAの全長のクローニングができ次第、Cos7細胞で発現させGBPとの結合の特異性を詳細に検討する必要がある。
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