研究課題/領域番号 |
14340274
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
人類学(含生理人類学)
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
土肥 直美 琉球大学, 医学部, 助教授 (30128053)
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研究分担者 |
石田 肇 琉球大学, 医学部, 教授 (70145225)
泉水 奏 琉球大学, 医学部, 助手 (80216556)
瑞慶覧 朝盛 琉球大学, 医学部, 助手 (70136901)
高宮 広土 札幌大学, 文化学部, 教授 (40258752)
柴田 康行 独立行政法人国立環境研究所, 化学環境研究領域, 室長 (80154251)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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キーワード | 琉球列島 / 古人骨 / ストレスマーカー / 食性 / 植物遺体 / 軽石 / 遺跡立地 |
研究概要 |
土肥は沖縄県内各地で人骨調査を行い、骨形態から琉球列島人の歴史と生活の復元を試みた。その結果、これまで出土例が少なく課題の多かったグスク時代人の好資料を得ることが出来、それらの分析から、グスク時代から琉球王国の成立過程においては周辺地域との活発な交流があったことが示唆された。特に、「浦添ようどれ」から出土した初期琉球王族の特徴に典型的な中世日本人の特徴がみられたことは、琉球王国の成立を解明する上で貴重な知見を与えるものと考えられる。 石田他は沖縄県住民の歯の形態変異を調査し、近隣諸集団との関係や集団内変異を考察した。結果は、近年遺伝学的研究において示唆されているように、同列島への複雑な遺伝子流入を反映していると考えられる。 高宮は植物遺体の回収・同定および動物遺体の再分析により沖縄諸島先史・原史時代のヒトの適応過程を理解することを試みた。その結果,グスク時代において農耕は集約的に行われていたこを支持するデータを得た。さらに、沖縄諸島中南部と北部・奄美地域においては異なる農耕システムが存在した可能性が示唆された。 米田等は沖縄県の遺跡から出土した古人骨の化学成分に基づいて、その個体の食生態を明らかにすることを試みた。特に古人骨に残存するタンパク質(コラーゲン)で、炭素と窒素の安定同位体比を測定し、その値に基づいてタンパク質の摂取源を推定した。その結果、琉球列島の食習慣では、本土では見られない大きな集団間の変動と時代変化があったことが認められた。また、先島諸島ではグスク時代からC_4植物である雑穀(アワ、ヒエ、キビ等)が利用されていた可能性が示された。 研究協力者の宮城・西銘は考古学の立場から人骨グループのサポートを行うと同時に、遺跡と出土人骨の情報を整理しデータベースを作成した。また、遺跡の立地や葬墓制変遷に関する分析を行った。 加藤は遺跡に漂着した軽石の分析から、軽石による遺跡年代推定の可能性を考察した。
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