研究概要 |
1.KDP結晶の高速育成(従来法の50倍) (1)水溶性結晶のうちKDP結晶を対象とした高速育成の方式が確立された. (2)市販のKDP粉末を利用した高速育成時の不純物取込みの実際が明らかになった.ICP計測によってFe, Cr, Al,などの定量的測定ができた. (3)不純物として原材料に比較的多い鉄を対象として,さらに不純物添加時の結晶育成を実施した.不純物量が極端に増加すると,結晶形状が針状結晶となることが判明した. 2.高速育成結晶の屈折率構造(数μm積層構造) 育成した結晶のZカット試料を作成し光学研磨を施し,aまたはb軸方向(プリズム部)に存在すると推量できる屈折率構造について,以下の測定を実施した. (1)自然存在の不純物量では干渉計測やノマルスキー顕微鏡計測では屈折率構造は観測できなかった. (2)可視レーザー光の回折効果を観測することによって周期的屈折率構造が存在することが明確になった. (3)回折効果の計量から周期性は高速育成時の液流速度変化に関係していると判断された. (4)現在の構造周期は数μm程度であり,育成法パラメーターによる制御可能性が有る. 3.回折性能(不純物濃度に依存) (1)市販KDP粉末では不純物(数ppm)による屈折率増加は大きくない.回折効率で10^<-6>程度であった. (2)不純物濃度の増加と構造パラメーターの最適化を図る必要が有る.
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