研究課題/領域番号 |
14350010
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用物性・結晶工学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
柿本 浩一 九州大学, 応用力学研究所, 教授 (90291509)
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研究分担者 |
干川 圭吾 信州大学, 教育学部, 教授 (10231573)
石井 秀夫 九州大学, 応用力学研究所, 助手 (50038551)
劉 立軍 九州大学, 応用力学研究所, 助手 (00380535)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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キーワード | シリコン / 結晶成長 / 電磁攪拌 / 対流 |
研究概要 |
情報化社会を担うシリコン単結晶への要求は、年々厳しくなりさらなる高品質化が求められている。シリコン結晶の内部には、原子スケール欠陥である原子空孔が凝集して形成した空洞欠陥が、大きさと密度がそれぞれ約100nmと105cm-3程度で存在している。この空洞欠陥を除去することが、超高密度の電子デバイスを実現させるためには必須である。この空洞欠陥は固液界面付近において原子空孔の凝集により形成されているために、固液界面近傍の温度が高い領域での空孔濃度を精密に制御することが、問題解決には必要である。空孔濃度はほぼ平衡濃度であるために、空孔濃度そのものは温度によって決定される。したがって、空洞欠陥の除去には、結晶育成中の結晶内の温度分布、特に子液界面近傍の温度分布を精密に制御する必要がある。一般に凝固問題を考える場合、融液の対流と固液界面形状は強くリンクしているために、固液界面形状を制御するためには融液の対流を制御する必要がある。 本研究では、有限体積法を用いて3次非定常の計算を行い、EMCZの条件下におけるシリコン融液対流現象の3次元構造を明らかにした。本研究では3つの異なったEMCZの配置を取り上げた。印加した磁場は一様な垂直磁場と墓所によって異なるカスプ磁場、さらには、水平磁場の場合も検討を行った。結晶を通して電流を融液に流すために、電極・融液界面と固液界面では電流密度が異なることとなり、非対称なローレンツ力の分布が期待できる。2本の電極の場合は、2回対称に電極を配置した構成であり、結晶には電流が流れず2本の電極に逆方向に等量の電流が流れることとなり、この場合も非対称なローレンツ力の分布が期待できる。同心円上の電極は、電極が結晶の周囲に対象に配置され、結晶中を流れてきた電流は等方的に電流が流れ、対称性のよいローレンツ力の分布が期待できるために、これを用いて新規の結晶育成方法を提案できた。
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